仕事が出来る奴ほど、会社を辞めていく・・・。
今、経営者が一番悩んでいる、問題かもしれない。
もっとも、今に始まったことではなく、昔からよく言われることであり、
出来る人は、どこでも生きられるから、辞める。
出来ない人は、そこでしか生きられないので、辞めない。
という、シンプルな理由でしかない。
それを引き留められないのは、ひとえに経営者が悪い。魅力がない、という事になるだろう。
とはいえ、相談を受ける際に、本人にそんなことは口が裂けてもいえないので、
「ええと・・・」と悩んだふりをした後、それっぽい回答が出来ないか、考えてみた。
こういった問題を考えるには、一つ、一つ、「どうにもならないこと」をまとめ、その後、考えるのが良い。
まず、一旦「辞めたい」と決めた相手の気持ちを変えるのは、まず無理である。
相談が来た時点で、もう腹は決まっているからだ。
多くの場合、相談ではなく、本人にとっては単なる「報告」である。
なので、そもそも「辞めるのを、どうにしかして引き留める」という前提が間違っており、
辞めた後も、「同じように、会社に尽くしてもらうには、どうしたら良いか」
と考えるべきではないかと思う。
では、そのためにはどうしたら良いか。
一つは、金だろう。
私は、社内でリスティング広告の運用をしており、それなりの成果が出ていたので、
退職すると伝えた時、外部からでも続けて欲しいと頼まれた。
月間予算は300万だったので、相場のフィーなら20%。月60万になる。
フリーランス1年目の初仕事。1案件だけで60×12=720万。
しかも、ほぼ自動入札で安定しており、ニッチな商材で、競合も大してやる気がなかったので、
分かってる人間がやるなら、ぶっちゃけ、月2~3時間メンテすれば良いような状態だった。
一瞬、心が揺るがなかったか、と言われたら嘘になる。
二つ返事で引き受ける人も、多いだろう。
なので、今ある仕事を、そのままお願いすること。これが一つの解決法だと思う。
(独立ではなく、転職だと厳しいが。最近はテレワークと副業が、かなり浸透してきているので、昔より、解決法が沢山あると思う)
しかし、私は断った。
理由は、私のブログを過去から読んでもらえば、理解してもらえるかと思う。
簡単にいえば、一部の世話になった人と、友人を除いて、関係を断ち切りたかったからだ。
一番の理由は、私の倫理観に照らして、これは許されないな、と思った決断を会社が下したからなのだが、流石にブログには書けないので、割愛する。
ついでにいえば、私個人としては、辞めた後も、会社の仕事をそのまま引き継ぐことに、抵抗もある。
仕事を続けるなら、辞めなければいい。
辞めるけど、仕事はください、って何か、個人的に好きでない。
もっとも、これは私の変なこだわり、というだけで、他の人はそうではないと思うし、別におかしなことでもない。むしろ会社は助かるわけで、良いことだと思うから、
選択肢として、全然ありだと思う。
さて、後は、金で受けてもらえない場合どうするか。
これについては、上に書いた、「受けたくない理由」の逆が、そのまま答えになると思う。
ようするに、
「やりたい事があるので、仕事は辞めるけど、(もし仕事を続けて欲しいと言われるなら)こちらからも、お願いします。ぜひ続けさせてください!」
と、その辞める人に言わせるような、
会社の信頼。その姿が、唯一の解決策という事になる。
これは、勿論、短期的に行えることではない。
長い年月、社長の一言、仲間とのコミュニケーション、仕事が社会に与える存在意義、全て含めて、生まれるものだ。
結局の所、優秀な人が辞めるのを「解決する方法」は、(引き留める方法ではない)
出来る人が辞めるのは当たり前なので、それは避けられないと受け入れ、
いざ辞めることになっても、そのまま会社の仕事を外部から助け、貢献してもらえるような信頼を築くこと。
それしかないのでないか、と。そう思っている。
うん。書いてみたけど、これも社長に直には言えないな。
めんどうなので、また解決法を相談されたら、やはり
「ないっすね!」
「飲み行きましょう!」
と答えることにしよう。
私は酒代が浮いて、社長も気が済む。WinWinである。
では。