独立の挨拶で、前職の取引先を中心に、何社か周り、その会話の中で、少し気づいたことがある。
いや、感じた、というべきか。
結論からいうと、
どんなに、今までの経験や、熱意をアピールするよりも、
「震災起きたら、田舎から駆け付けますよ!」
という一言の方が、はるかに相手に響いたな、ということ。
まあ、震災は極端なのだが、
・いざという時に、田舎に移住したくなったら、手助けします
・ご家族で旅行に来るなら、車付きで案内します
という話の方が、明らかに、相手の反応が良い。目が輝く。
これは何故かというと、実に単純な話で、
私とコネクションを持つだけで、得られることがほぼ保証されたメリットであり(少なくとも、「機会」については)
さらに、他で代替できない「価値」だからである。
これに気づいた時、私は自分の甘さを省みると共に、「田舎」という地理的条件を「不利」と決めつけていた自分に気づいた。
いうまでもなく、田舎は不利である。
いくらリモートで出来るとはいえ、発注者や管理側から見れば、どう考えても、直接、話した方が良い、という面が度々ある。
「そういう意味で言ったんじゃなかったんだけど・・・」
「あーもういいよ、面倒だし。こちらでやるわ」
「もうあいつ切っちゃおうかな。ほかに幾らでも頼めるとこはあるし(ボソッ)」
みたいな流れが容易に想像できる。
かといって、何度も移動すると、時間と金が無駄に奪われる。
特に、個人としての実績がない、駆け出しフリーランスではなおのこと。
なので、私は、これまで培ったWEB関連のスキル、ちょっとしたプログラミング、マネジメントの経験など、
田舎の人間でもこれくらいは出来る、会社の泥臭さも知っている。ということをアピールし、田舎という不利な条件を払拭しようとした。
しかし、所詮、その程度のスキルは、持っている人間がいくらでもいるのだ。
また、中小企業のドロドロなんてのは、別に田舎の人間だから知るものではなく、東京でも同じなのだ。
つまり、これだけでは差別化できない。
なので、結局の所、差をつけるのは、「人間性」ということになる。
この人となら仕事したい、というやつだ。
だが、それすらも、差をつけるのが難しい、となった場合、「田舎」というのは強烈なアドバンテージになりえる。
人との付き合い、ということなら、アピールすべきは、別に仕事の業務範囲だけに縛られなくて良い。
その人の私生活、ましてや、人生において、付加価値を与える存在ですよ、とアピールする。
それは、田舎の人間に許された特権で、フリーランスとして、自分を売り込む際、ぜひ使うべき訴求点ではないか、と感じた。
さて、あと一社。
当然、土産は地元の海産物。これでアピールするのだ。
今日も一日頑張ろう。