同レベルの仲間がいないと悟った時、エースは去る

会社やめてからの人生

昨夜は、前職の取引先であるWEB広告代理店の方と、酒を飲んだ。

当時は、東京と鳥取で、遠く離れていたので、仕事は完全にリモートで行っており、私が年2回ほど、出張する際に、打ち合わせする程度で、

仲は良好だが、こんな風に、居酒屋で、ざっくばらんに語り合う関係になれるとは思っていなかった。何だか嬉しかった。

彼は、あまりお世辞を言わない私から見ても、仕事ができて、人当たりが優しく、教えるのもうまい、という三拍子取りそろえた人間で、

周りが、やる気もない、実力もない、にもかかわらず、正論を口ずさむ人間ばかり、という、悪の三拍子を取りそろえた、非常につらい環境に長年いた私にとって、彼との仕事は、非常に有意義で、心が高揚する時間だった。

さて、そんな彼と、独立後、サシで飲む流れとなり、実に楽しい時間を過ごせたのだが、驚いたこともあった。

それは、彼も独立を考えている。ということだ。

私は「独立」を思い立って、1年以内に即辞めたのだが、彼はもう何年も、独立しようと悩みつつ、決断を伸ばしているらしい。

それはひとえに、それなりの高給が約束された立場だからだ。

まだ30代中盤なのだが、多くの部下を抱え、綺麗な奥さんもいて(見たことないけど)、来年からはまた昇進し、執行役員になるらしい。

上場企業なので、年収1000万は楽に超えているだろう。

そりゃ悩むよなぁ。

40歳にもなって、年収400台+独身の私とは、決断の重みが違う。

私はどう考えても、今の環境にいるよりもマシ(はず)と思ったが、そうではなく、悩む人も多いのだろう。

しかし、腹はある程度決まっているようで、昇進の話が来たので、来年までは保留するが、その先は、多分独立するだろう、と言っていた。

既に会社には内緒だが、数件副業でコンサルもしているようで、そちらでも、それなりの収入があるらしい。

私としては、高給+コンサル副業があるなら、無理に今独立しなくても、それで相当の資産はつくり、そこから、金を求めない理想の生き方として、独立を選んでもいいのでは?

と、まだ何もしてないフリーランスが偉そうにアドバイスしておいた。

「そうですね・・・!」

と素直に彼は答えた。

こういう素直さが、仕事できる人間なんだよなぁ・・・と思い、グラスを傾ける。

しかし、副業する余裕がある、ということは、激務というわけでもなさそうだし、

なぜ、そんな素晴らしい環境から独立を?と聞くと、

彼は困った表情を浮かべた後、一言でいえば「やりがい」と答えた。

「同レベルで仕事ができる人、話を出来る人がいない」

「ピリピリ刺激のある仕事をしたいのに、部下のマネジメントばかりになり、同じような仕事のルーティンで、自分の成長につながらなくなった」

との事だ。

後者は分かるが、前者は意外だった。

確かに、大手のWEB広告代理店でも、出来る人より、出来ない人が圧倒的に多いのは、知ってたが、彼が「いない」と言い切るほど、その数が少ないとは思わなかった。

少し前にWEB担当は2人以上必要、という記事を書いたが、

WEB担当に限らず、どの仕事でも、互いに実力を認め合い、切磋琢磨できる相手がいなければ、会社員というのは、とてもつまらない人生なのだろう。

であれば、たとえ収入が減っても、仕事も、相手も、自分で選べるフリーランスの方が、満ち足りた人生を歩めるかもしれない。

では、今後、互いに。

と約束して、昨夜は別れた。

今回、東京出張し、前職時代にお世話になった人たちへ、毎日あいさつ回りの会食をしているのだが、だんだん仲間が増えていってる。ドラクエか。

今日も違う会社の人と会うのだが、この人も独立志向だったら面白いな。

さて、本日も入れて、あと2件。

酒は楽しいが、毎日は中々つらい。

きょうも一日頑張ろう。