人格否定の暴言役員を切る勇気。それが改革の一歩目でないかと思う。

人生観・仕事観

三洋電機の新入社員がパワハラで自殺したらしい。これだけ、その「悪」が知らされても、報道がなくなりはしない。嘆かわしい。


https://www.sanyonews.jp/article/965398

私が社会人になって、始めた知ったことの一つに、

「こんな暴言を吐く人って、ホントにいるんだ」

というものがある。

家庭にはいなかった。

中、高の部活にもいなかった。

大学では、遊び惚け、先輩は飲み友達ばかりだった。

一社目は2年半勤めた。ワンフロアに、約100人の人間がいた。

そこにもいなかった。

噂、陰口は、少なからずあったと思うが、面と向かって暴言を吐くような人間は、いなかった。少なくとも、私の観測範囲では。

初めての出会いは、二社目。

田舎の中小企業だった。

その人物は、若くして、役員となった実力者だった。

単にごますりがうまいだけで、その地位を手に入れたのだと、後に知った。

私は入社して、数日後、社長と役員、外部のお客様との会議に呼ばれていた。

新しい人材が入った時、(田舎のわりに)高学歴だったり、前職で名の知れた会社にいた場合、社長が取引先に自慢のネタとして、呼びつけるのが、その社の恒例行事だった。

その場で、私は、会社の業績について、とある数字を聞かれた。

その数値は、色々な所で公開されているものであり、問題ないと判断したから、そのまま伝えた。

社長は何も言わなかった。

だが、私は、会議の後、その役員に呼びつけられ、

「何を考えているんだ」

「〇〇という数値は、いつも社長が盛って言ってるんだから、それに合わせないとダメなんだよ(聞いてない)」

「そんなことも気づけないようじゃ、君はこの先、社会人として生きていけないね。クズだね」

という感じのお叱りを受けた。

私は、この時、ただの指導にも拘わらず、仕事の内容に関係なく、

「人格否定」「人生の否定」を殊更相手にぶつける、というタイプの人間に初めて出会った。

さらに、驚いたのは、これは私が社長に気に入られている人間だから、まだセーブされていて、

他の人間。特に、社内で評価の低い人や、辞めていった人については、まさに、人権無視の罵詈雑言を浴びせていた、ということだった。

一言でいえば、パワハラなのだが、

正直、そんな4文字で片づけていい内容ではない、と感じた。

散々、暴言を浴びせられたのち、ダッシュでトイレにこもり、人知れず泣いている人を見た。

倉庫へ向かい、手を傷つけることを厭わず、悔しさから壁を殴りつけている人を見た。

それも仕事だ、というのも、一つの回答かもしれない。

が、私には、生産性に貢献しているとも、会社の将来にプラスになるとも、微塵も感じられなかった。

結局のところ、大抵の人にとっては、

自分が傷つくのは勿論のこと、周りの人が理不尽に傷つけられるのも、見たくないのだ。

頑張っている人には報われてほしいし、勇気を出して意見を言った人には、喜んで欲しい。

それを壊す人には、できれば退場して頂きたいし、そんな人物が会社の要職に居続けるなら、人生を共に歩もうとは思わない。

そんな当たり前に、気づかない。いや、気づいても、優先度の重みが分かってない経営者が沢山いるように思う。

投資も結構。自身の趣味やスキルを高めるのも結構だが、

特に若い二代目社長には、先代のひいき目から一端離れ、冷静な評価から、会社の癌を切除する勇気も、ごまかさず、奮い立たせてほしいと、切に願う。

それがひいては、日本が再起する足腰に、繋がっていくと感じている。