出来ないことはサイトに書くな、期待させるな、という話。

人生観・仕事観

(食事中の方は、読まないでください)

普通の社会人なら、出張の移動手段にまず使わないのが、「深夜バス」だ。

コストは間違いなく一番安いが、その代わりに失うものが多すぎる。

だから、どこも使わない。

しかしだ。

フリーランスとなると、出張費は全て、自分の懐から出すことになる。(全額クライアント持ちのケースを除く)

経費になる?

私は駆け出しなので、まだよく分かってないだけかもしらんけど、

要するに、使った分の20%くらい税金が安くなるだけでしょ?

経費になろうが、なるまいが、本来消費されなかった現金が、私の財布から消えていくことに変わりはない。なら、ある程度の収入が入るまで、支出を1円でも抑えたい、と願うのは、人情というものではなかろうか。

なので、今回も東京~鳥取間を、片道分(帰り)は深夜バスにした。

そして、死ぬほど後悔した。

もう二度と、深夜バスは使わない(二度目)。

特にWillerは絶対嫌だ。

なぜ、そう思ったのか。

一言でいえば、ユーザーの気持ちを考えられない企業だと思ったからだ。

深夜バスの大きな弱点は、

「腹を壊しても耐えるしかない」

というデメリットにある。

実際、ユーザーの高速バスにおける悩みの1位は「トイレ」のようだ。

バスの中にトイレないの?だと?

知らない人は知らないよね。

答えとしては、あるバスにはある、ないバスにはない、

要するに、無いバスも普通にある。

聞くところによると、東京~米子間のバスにはないが、東京~広島間のバスにはあるらしい。ざっけんなよ。

私は無論、そのことは知っていたが、2~3時間に1回は、トイレ休憩をはさむので、何とでもなると思っていた。トイレが近い人は気の毒に・・・と思っていた。

まさか自分がそうなるのとはね。

時は0時過ぎ。

Youtubeも見飽きて、そろそろ寝ようか、と思った私の腹が、グルグル・・・と鳴った。

あ、これやばいヤツ、と感じた。

40年付き合ってきた体なので、良く知っている。

次に来るのは、激しい腹痛と強烈な便意だ。

いつもは、駆け出したら、5分以内に解決できるトイレがある。

だが、ここは、深夜に高速道路を疾走するバスの中。周りは寝静まり、音すら立てられない。

額に汗がにじんだ。

次の休憩はいつだ・・・?

たしか、ほんの30分前に、パーキングに立ち寄ったはず。

すると、あと1時間半~2時間半後か?!

めまいがしてきた。

そうこうしている内にも、腸が悲鳴を上げ、腹部が強烈な痛みのシグナルを発信しだした。

バスとはいわずとも、電車など他の公共交通機関で、同じ痛みを味わった人は、少なくないのではなかろうか。

小、もきついのだが、大は、本当につらい。

額からは、汗が滝のように流れ、右手は座席を握りつぶすかのごとく、力み続ける。

意識が遠くなる。

もう「全部捨てちゃっていいよね・・・」と悪魔の声がささやきだす。

一端、波が引いたかと思えば、すぐさま、津波が襲ってくる。

静も根も尽き果て、私が見た時計は、まだ1時すぎ。

絶望感が全身を襲う。

さらにいえば、2~3時間に一度、休憩があると、言われただけで、正確なタイムスケジュールさえ分からない。希望が消えていく。

もうダメだ・・・と思いつつ、

最後の力を振り絞り、スマホで、「バス 腹痛 耐え方」などで検索していた時、

私は一筋の光を見つけた。

Willerの公式ブログにあった一文だ。

【調査】高速バス・夜行バスにトイレは必須?案外大丈夫?気になるトイレ事情
高速バス・夜行バスの気になるトイレ事情を調べました。高速バス利用者の内、どのくらいの人が「トイレ付き車両」を希望しているのか?という調査結果と共に、トイレ付き車両のメリット・デメリットについてご紹介し

「バス乗車中の相談窓口」だと!?

そんな便利なものがあったのか?はよ言ってよ。ガチでやらかしちゃうトコだったよ。もー。

と、リンクを開くと、

そこには、どこにでもあるQ&Aコーナーと、チャットボットのみ・・・。

どこだよ!俺の緊急コールを受けてくれる所はどこだよ!

と必死で探すも、予想通り、見つからず。

AIは当然のように、「営業時間外です。QAをお読みください」と繰り返すのみ。

リンク先が間違っているだけで、どこかにあるはず・・・!

と一縷の望みをかけ、

「 バス乗車中の相談窓口」でググることで、ついに、それらしきコーナーを発見。

乗車中のお困りごとについて(WILLER EXPRESS) | 高速バス/深夜・夜行バス予約 | WILLER TRAVEL
高速バス、夜行バス、深夜バスの予約ならウ...

このページタイトルを見た時、どれだけ嬉しかったか・・・。

メニュー見ると、うんうんそれっぽい!

これで助けが呼べる・・・!

決死の思いでSOSを送信・・・!

届け、この思い!

そして、気が遠くなるほどの便意と戦い続け、耐えること10分。

ついに、スマホに返信が来た。

そのメールがこちらだ。

私はこのメールがこのメールを見た時の気持ち、想像できるだろうか。

知ってたよ。

こんな時間に、リアルタイムで対応できるわけないって。

命が危ない、とかならともかく。

最悪でも、〇んこ漏らすだけだし。

だから、死力を振り絞って、運転席まで行っても、無駄だし、下手したら爆発すると思って、しなかったんだから。

でもさあ。

普通、「乗車中の緊急困り事に対応」とか、「運転手には言いにくいだろうから、窓口を設置してます」とか書かれたらさ、普通、希望をもつじゃん?

まさか、「分かりました。休憩地まで我慢してください」と来るとは思わなかったよ。

そんなことは、言われるまでもないのだから。

これが、マイナーな問い合わせなら、別にいい。

でも、深夜バスで一番と言われるトイレの悩みについて、こんな窓口や回答を用意する企業は、どれだけ他が良さそうでも、ちょっと信用できないな、と思ってしまった。

企業というのは、どこも外面はいいものである。それは、前職にいた時からよく知っている。

ちょっした対応や、サイトの導線で、この会社は、口先だけでなく、本当にユーザーのことを考えているか、という姿勢がでるものである。

もっとも、いまでは感謝している。

私に、中年がせこい思想で、深夜バスなど使うべきではない、と早めに教えてくれたのだから。

サンキュー、Willer。

(あくまで個人の感想の上、個人的な恨み満載なので、聞き流してほしい)