また、日課のブログの更新をさぼってしまった。
理由は、広島への小旅行。友人と1泊2日の旅だった。
スマホで更新することも出来るし、一度やろうとしたのだが、旅に出てまで、無粋極まると思いなおした。
そもそも、毎日更新を楽しみにしている読者がいるような人気ブログならともかく、おっさんがチラシの裏に書いている日記帳なぞ、数日更新をサボろうが、誰にも迷惑はかからない。
謎のルールを課すのはやめて、今後も、出来る範囲で、更新していこう。まぁ、アウトプットの鍛錬になるので、基本は毎日続けるが。
さて、男二人のムサイ広島旅行から、先ほど帰還した。
生ガキ、カキフライ、お好み焼き、穴子飯、ずんだ、etc、etc・・・
これでもか、というほど、広島の幸を堪能した。もうレモンサワーは当分要らん。
食費を一ヶ月、15,000円に抑える生活をしているのに、わずか一日で突破してしまった。節約とは一体・・・。
ま、旅に出て節約するくらいなら、そもそも旅でなければいい、と思う派なので、これは、これで良し。
さて、前置きが長くなった。
そもそも、何で広島に行ったか。
グルメ紀行や、観光目的なら、わざわざ男2人で旅など出ない。
目的は、旅ではなく、ライブ。
Aimer(エメ)というアーティストの全国ツアーの一つが、広島で行われるので、それを聴きにいってたのだ。
ちなみに、私はこのアーティストのことを、名前以外、殆ど知らなかった。
ライブ自体、人生で3回目である。ちなみに、その3回は、全て、この半年の間に行われた。
つまり、39歳までは、一度も、ライブに行ったことがなかった。
きっかけは友人の誘い。
長年、勤めた会社を辞めると決意した時、これからは、今までやってないことを、色々体験しよう、と決めていた。これまで無下にしてきた、ライブの誘いを受けたのも、その一つ。
そして、今年の4月。和楽器バンド、というグループに出会った。彼ら、彼女たちの音楽の素晴らしさも、ぜひブログに書き留めておきたいが、今回は本筋ではないので、割愛する。
その友人から、次にお勧めされたのが、Aimerだった。
名前は知っていた。日本人離れした美声のアーティスト。いくつかアニソンを歌っている。「あなの番です」の主題歌も歌っていた。
それ以外の知識はなかった。彼女の人間性や、性格など全くしらない。
とりあえず、曲は嫌いではない、むしろ好きな部類なので、今回も誘いに乗ることにした。
なお、曲は殆ど知らなかったので、一夜漬けで覚えた。
私は知らなかったのだが、ライブには「セットリスト(通称:セトリ)」と呼ばれるものがあり、どの曲をやるか、事前に大体知ることが可能だ。
ファンによっては、ネタバレであると、公演を終えた人が漏らすのを嫌うなど、賛否両論あるらしい。
気持ちは分かるが、私のような新規からすると、全く曲の分からないライブに行く気はおきないし、予習するにも、全ての曲を覚えるなど、現実的ではないので、セトリがあって、助かっている。
さて、何とか頭に詰め込んで、初めて挑んだAimerの初ライブ。
結果は、想像以上に素晴らしいものだった。
あの白く、細い体の、どこからこんな声が出てるのだろう、と思えるくらいの声量、歌唱力に、圧倒された。
どこか踊りだしたくなるようなPOPな曲、重厚な物語を感じさせるようなバラード、など、盛りだくさんで、とても幸せな2時間半を過ごさせてもらった。
そういった感想は、誰もが感じたことだと思うので、今回は、初めてライブに参加した、おっさんの視点で思ったことを書き留めておきたい。
それは、曲ではなく、Aimerというアーティストについてだ。
実際に見るまでは、曲のイメージから、「Aimerです(ピシッ)」といった、カッコイイ系の女性かと思っていたら、実際は、とてもかわいらしい、笑顔の明るい女性だった。
決して、トークが得意という感じではなかったが、どのMCも、彼女のまっすぐな気持ちが伝わってきた。
特に印象に残ったのは、2つある。
一つは、掛け声への返答。
二つ目は、お辞儀の仕方だ。
アーティストが、会場のファンから、「〇〇さーん、〇〇!」など、声をかけられるのは、よく見る光景だが、彼女は、そのほぼ全てについて、「はい!〇〇です!」と、受け答えをしていた。
よく聞き取れなった時は、「えっ?〇〇ですか?すみません、もう一度!」のように、ファンに聞き返したりもしていた。
自然に行われていたが、これは、かなり珍しいことではないか、と聞くと、友人もそう言っていた。
そして、お辞儀。たびたび、ファンにお辞儀するのだが、私の見た、全てのお辞儀が「最敬礼」だった。とても、深く、一曲、一曲を終えるごとに、感謝を示すように、お辞儀をしていた。これも、私は見たことがなかった。
どちらも、過剰だというひとがいるかもしれない。
私もライブ行かず、この2つを、ただの情報として聞いていたら、そう思うかもしれない。
だが、実際は、過剰とは欠けらも感じなかった。つまり、それほど、彼女にとっては、自然な行動になっているということ。
さらに、友人に聞くと、数年前は、本当にたどたどしく、MCも無言に近いような感じだったが、だんだんと変わってきており、今では、少しずつ、ファンと一緒に盛りあがろうと、自らアクションを起こすようになってきているらしい。
そんなの聞くと、単純なおっさんとしては、
「なんていい子なんだ」
「応援したい」
と、なるわけである。
彼女のそんな人間性は、曲の中にも、Wikipediaのプロフィールにもなかった。これはライブでしか味わえない体験だ。
先日、とあるインフルエンサーのコラムを見ていたら、これからは、コモディティ化がさらに進むので、この「応援したくなる」という物語性が、企業や商品に、必要な要素になると書かれていたいた。
本当に、それが決定的な差となる時代は、まだ先でないか(特に国内)と思うが、今回のAimerのライブは、まさにその一旦を、肌身で感じた体験となった。忘れないようにしたい。