WEB広告運用者=マーケターではない

WEBの仕事話

最近、WEBマーケター育成事業に着目する企業が増えてるらしい。

転職コミット型プログラミングスクール「DMM WEBCAMP」がwebマーケティング人材を輩出する『DMM MARKETING CAMP』を開始!11月より人数限定で募集。
株式会社インフラトップのプレスリリース(2019年11月1日 11時03分)転職コミット型プログラミングスクール「DMM WEBCAMP」がwebマーケティング人材を輩出する『DMM MARKETING CAMP』を開始!11月より人数限定で募集。

私自身が、中小企業のWEBマーケターだったし、それを抜けたことで、会社が中々に大変なことになった(現在進行形)のも、知っている。

だから需要があるのは、よく分かるし、自分自身も、社内で育成するのを事業の一つにしようというビジョンはあるが、(ビジネスとしては大変そうなので、立ち位置を見直し中ではあるが)

これって、「マーケター育成」なんだろうか?と、首を傾げるものも少なくない。

上記もその一つだ。

「3ヶ月で即戦力のWEBマーケターを目指すカリキュラム」とある。

私も、3ヶ月の育成プランを考えたことがあるが、それはあくまで、「リスティング広告の運用者(作業者)」の育成だ。マーケターではない。

実際、上記プランを見ても、内容の殆どが、広告運用だ。

リスティング広告の代理店に転職するのが目的なら、別にいいと思うが、それなら、ゼロで入社して、社内で学んだ方が、金銭的にも、実践的にも、効率的だろうし、

事業会社のWEB担当として転職するのが目的なら、入社後、かなりミスマッチが発生するだろうことは、想像にかたくない。

あくまで、私自身の例だが、

会社は私が抜けた後、「WEBマーケティングの出来る人」という条件で求人を出した。

が、実際に私のやっていた仕事でいうと

・広告運用 2割

・サイト、事業分析 2割

・サイト編集、運用 1割

・紙媒体関連   1割

・通販事業のマネジメント関連 2割

・その他 2割

など。多岐にわたる。広告運用については2割程度しかない。

むしろ、インハウスを止めたので、もっと下がる。

上記プログラムを学んでいたら、代理店の窓口担当にはしやすいだろうが、アドテクの知識に偏った人間だと、代理店の傀儡になりそうで、怖い気がする。

むしろ、会社事業に対する理解の深い人を育成した方が、結果良いと思うのだけれど。

人材不足が問題なのはその通りだが、根本は、企業側にマーケテイングについての理解が足りないことにある。供給側だけ整備をしても、このミスマッチは解決しない。

個人的には、高い金を払って、アド運用の知識だけ学び、私の古巣のような中小企業に入って、絶望するような若者は見たくないし、

これでやっと解決できる・・・!と希望にあふれていた会社側が、「なんだよ。全然使えないじゃないか・・・。どうしたらいいんだよ」と苦悩する姿も見たくないので、

何とかならんもんかなぁ、と考えた、今日の一幕であった。