「令和」になっても、始業前の朝礼、ラジオ体操をやめない会社
こんにちは、さぼてんです。ついに新年号が発表されましたね。
「令和」かぁ…。なんかピンとこないけど、平成も最初見たときは、正直たいがいだったので、これも自然と慣れていくんでしょうね。
さて、昭和→平成→令和、と3つもの時代を経ても、変わらないブラック企業の悪習があります。
それは、始業時間前に強制する「朝礼」や「ラジオ体操」です。
新社会人で、「おかしくね?」と思った人もいるのではないでしょうか。
安心してください。その感覚は正しいです。
いまだにこんな古いやり方を貫いてる会社は、問答無用でブラック認定でかまいません。
ちなみに私のいる会社は、今でも、始業5分前からの、「朝礼」「ラジオ体操」をやめていません。2017年にスズキが同じことしていてニュースになったのにねぇ…。
しかも、労基が一度入ってコレです。以前は、始業の15分前から開始してました。
「任意」で参加してるからOK!というガバガバのロジック
さて、5分前から朝礼、ラジオ体操を始める会社。どういう理屈でOKにしているかご存知ですか?
おそらく他の会社も同じだと思いますが、基本的に、「強制」ではなく、「任意」で参加しているというロジックで、建前をつくっていると思います。
結論からいえば、これは99.9%通りません。
ただ、ウチの会社もお抱えの社会保険労務士がいますが、大体、経営者の言いなりです。
無理やり理屈をこねるなら、もうこれしかないのでしょう。
私も会議に何回か参加していますが、絶対やりたくない仕事ですね。社会保険労務士って。できる人は聖人ですよ。私ならストレスで死んでしまいます。
この「任意参加」について、ウチのロジックを説明します。
始業5分前に、ラジオ体操の音楽が流れる。→社員は、その音楽を聴いて、ラジオ体操がしたくなり、「任意」で1Fに集まってくる。→そのまま流れで朝礼を始める。
という理屈です。
もう笑うしかない。
「参加」が自由でないなら、それは「強制」
「任意」が成立するには、参加が自由でなければいけません。つまり、不参加であっても、誰も文句はいえないし、言ってはいけないという事です。
ですが、新入社員が一人だけラジオ体操に参加しなかったとして、周りが何も言わない、なんてことありえますか?ないでしょ?
ラジオ体操に参加するよう、誰かがその社員に指導するはずです。はい、その時点でアウト。
また、もし何も指導をしないを貫くなら、それはそれで大したものですが、そんなもの認めたら、結局、秩序が崩壊し、全体の和が乱れますよね。
そうしたら、一体何のためのラジオ体操と朝礼ですか?という感じでしょう。
全体の意識を高め、チームワークを上げるためにしているのに、元も子もありません。手段と目的が入れ替わってしまいます。
なので、この「任意」で参加している、というロジックは、机上の空論でしかないのです。
また、ラジオ体操はともかく、朝礼はそもそも始業前にしたら完全にアウトです。
朝礼は業務連絡とか報告をしますよね?それは完全に、社員が仕事の指揮下にある状態なので、「業務時間」に当たります。なので、「任意」で参加している、なんて理屈は通りません。
このように、どれだけ法の目をくぐり抜けようとしても、始業前に行うラジオ体操や、朝礼は違法なんです。
にもかかわらず、何故、世のブラック経営者は、この悪習をやめないのでしょうか。
たかが5分を譲れないその理由は?
正直、今でも全然分かりませんが、長年、経営者に接してきたので、少し、彼らの理屈が分かってきた気もします。
自分の常識を変えることに、おびえる昭和の経営者たち
多分ですが、始業前の朝礼、ラジオ体操をやめられないのは、50~70代の経営者が殆どではないかと思います。
彼らは、成功した時代に身に付けた常識を変えることに、酷く臆病です。
なので、5分がもったいない、と本気で思っているというより、
「朝礼やラジオ体操は、始業より前にやるもの」という自分の中の常識を変えたくないんですね。
そうしないと、自分の信じる仕事のやり方はなんなのか?というアイデンティティの崩壊を意味するのです。
はぁ?という感じですが、
そうとしか思えない発言を、私は社長から何度も耳にしました。
田舎でそれなりに大きい中小企業の社長は、地元という狭い世界で、ずっとチヤホヤされる人生を過ごしています。
だから、その環境に溺れ、口ではどれだけビジョンを語っても、結局は変化を嫌い、行動するのを恐れているんです。
つまり、5分前の朝礼も、彼らにしてみれば、5分が問題ではない。
そこまで社員に譲歩することを認めるのが、彼らには敗北であり、自分のコントロールから、社員が離れていくことが怖いのだと思います。
当然、このような会社のことを、世間では「ブラック企業」といいます。
長時間労働ばかりに話題が行きがちですが、私は自分の将来を考えるにあたって、こういった部分でも、自分の会社が「ブラックではないか」と考えるのは、重要だと思っています。
今、世界は全てがデジタルシフトに動き、変化を恐れる会社は死滅していく運命です。
たかが朝礼、ラジオ体操、で片付けず、日本の将来のためにも、ブラック企業を見抜く目を、新社会人の方には養ってほしいと、強く願います。