「尊敬」は、能力の高さでも、経験豊富さでもなく、価値観の共有で生まれると思う。

人生観・仕事観

人が仕事を選ぶ理由は色々ある。

好きだから。面白いから。向いているから。
給料がいい。頭を使わなくていい。 など、人それぞれだ。どれも正解はない。

ただ、もし私が過去の自分に、仕事の選び方をアドバイスできるとしたら、
「尊敬できる人と働きなさい」と伝えるだろう。

尊敬できる人がゼロ、という職場はガチで悲惨である。
自身の成長に繋がらないどころか、むしろマイナス成長。
仕事をまともに評価してくれる人もいない。得るべきものは何もない。

やがて絶望したあげく、自分もその一人となっていく・・・。
これは、私が実際に体験したことだ。

私は最悪の状態になるまでに、何んとか退職を決意できたが、
心が死んでしまったら、おそらく、決断すらできず、ゾンビのように働きつづけていただろう。想像するだけで寒気がする。

なので、頭がマトモに動く内に、自分の周りには、尊敬できる人がいない、と判断したら、
即、転職か独立の準備をお勧めする。

なお、尊敬できる人って、例えばどんな人よ、と聞かれると、感じたままだよ、と身もふたもない回答になるが、

あえて言うなら、能力の高さや、経験の豊富さ、優しさなどではなく、「価値観を共有できるか」が、尊敬できる人の条件だと思う。

例えば、私が尊敬する人とは、下記のような人物である。

・どんな仕事でも、指示された通りでなく、自分の頭で最適解を考えられる人

・相手が何に困るか、常に考え、即対応できる人

こういう人と仕事をするのは本当に楽しい。人生において重視したいもの、価値観が共有されているからだ。

逆に、言われたことだけやればよい、余計な仕事はしたくない。という人は、一緒に仕事をしても、お互い楽しめないだろう。求める価値観が一致してないからである。

私は独身だが、おそらく夫婦間でも似たような感じではないだろうか。時には言い合いもするし、趣味や、子供の進路のことで、意見を違えることもある。

ただ、道は違っても、最終的な幸せのゴールについては、共有できているからこそ、パートナーとして、歩むことができるのではないか、と勝手に思っている。

ちなみに、現在、私の社内に尊敬できる人物はいない。正確には、一人いるが、その方もまもなく退職する。なので、独立の道を選んだ。

尊敬できる人は、同僚でも、上司でもいい。1人でもいれば、仕事を続ける原動力にはなると思う。

ただ、あえていうなら、中小企業の場合、社長が尊敬できなければ、ついていくかは考えた方が良いだろう。社長は会社の人格そのものであり、中小企業は、その影響が特に濃いからだ。

逆にいえば、転職する時は、内容関係なく、「尊敬できる人がいるか」だけで選んでもいいかもしれない。

少し話せば、その熱量で、相手が尊敬できそうかどうかは分かるはず。どうせ、会社の内情や、労働環境など、入ってみなければ分からないのだ。

なら、尊敬できそうな人が、元気に働けているかも、会社選定のよい指標になるだろう。

転職が当たり前の時代でも、人生は長い。できれば無駄なく、密度の高い仕事をしたいものである。