ネットを見ていると、
「新卒からフリーランスになる!」
という若者が増えているような気がする。が、実際の所、どうなのだろう。
ふだんから、IT、WEB関連の情報ばかり追ってるせいか、
意識高い系の若者が目につくので、そう感じるだけかもしれない。
信憑性がありそうなアンケートも見当たらない。真面目に探してないけど。
余談だが、今年、卒業のいとこの子は、無事にブラックな業界に就職が決まったようだ。
おめでとう。死んだ魚の目にならないよう祈っている。
さて、仮に「新卒でフリーランスになりたい」という若者が増えていると仮定して、
自分なりの考えを述べるとしたら、
結論からいえば、「お勧めしない」である。
・ある程度、資金がないと、交渉しにくい(低単価で仕事を受け続ける)
・そもそも、社会常識が身についてないので、非効率
など、いくらでも、理由はあるけれども、
あえて、一つあげるとしたら、新卒でフリーランスになっても、
「世界が狭すぎる」
という1点に尽きると思う。
例えばである。
今、Youtubeでは、月収、数百万とか、下手したら、1000万超えなどの、ビジネス系フリーランサーが人気だ。
大体は、ブログやアフィリエイト、noteやオンラインサロンなどの収益が中心だ。
大変、まぶしく映ると思う。
しかし、個人の稼ぎとしては、確かに凄いと思うが、
企業というレベルから見ると、金額の面では、そんなに高くない。
その辺の中小企業でも、年商は、数億、数十億いく。
私も、社内では、WEB広告や、通販事業を担当してたが、達成しないといけない売り上げは、
月に数千万。年間で、数億~十数億だった。
なので、企業の場合、
「億単位の売上を出すためには、どうするべきか?」
という、視点を持つことが必要になる。
WEB、紙媒体、という広告から、社内の体制改善まで。何が問題となるか、どういった解決法が考えられるか。
個人レベルだけで、やってると、この視点がもてない。
おそらく、「新卒からずっと月200万稼いでました!」というブロガーがいて、面接にきたとしても、私はあまり評価しないと思う。
個人が稼ぐだけなら、自分のことだけ考え、超ニッチな市場で勝負すればいいが、
企業を伸ばすだけの売上を達成するには、それでは足らないからだ。
これは、別に、個人で大金を稼ぐ人をディスってるのではなく、質の違いの話である。
そこに優劣はない。
それに、今、個人で成功している人は、ほとんどが、一度は会社組織に入り、その辺のイロハを学んだ人たちばかりである。
だから、問題ないといえるし、それゆえに、成功しているともいえる。
だが、学生→フリーランスに直行すると、
企業が、組織を維持する売上を出すために、いかに「制約条件」を抱えて動いているか
という視点をもたないまま、育つことになるので、私はお勧めしないなぁ、と思った所である。
仕事面も、そうだが、人間としてもね。
そういった理由では、私は本ブログでも、たびたび、フリーランスをお勧めしているが、
「新卒フリーランス」は勧めないし、
個人レベルのお金を稼いだからといって、社会人をディスる人も、あまり好きではないのである。
制約条件が違い過ぎるので。
もっとも、何がうまくいくか分からないのが、人生。というものだし、
勢いも大事なので、そんなの関係ねえ!という猛者がいたら、それは思いのまま、突き進んでほしい。
それが、若者の特権ですからね。
では。