自分は、どんな仕事が向いているんだろう?
と悩んだ時、
大体、「好きなこと」とか「得意なこと」。そのどちらかで選ぶケースが殆どではないだろうか。
確かに、会社勤めの場合、そのどちらかで、概ねただしい。
しかし、フリーランスの場合は、もう一つの選択肢がある。
それは、「自分にあった人」と出来る仕事で、生きていく、という考え方だ。私はこれで、今の所、うまくいっている。
基本的に、仕事はシンドイものである。
誰かが自分ではできない、または、やりたくないことを、他人に金を払って頼むのだから、シンドイのは当たり前なのだ。
好きなことで始めても、仕事でやる以上、どうしても汚い所や、正論では通じない面を見ることになり、やがて、続けるのがシンドくなるのも、よく聞く話。
私は、元々、設計がしたくて、大学もそーゆー学部にいき、それなりに知名度もある会社に就職できたのだが、2年半でやめた。鬱になった。
もう時効だろうから言うが、
とある公共工事を担当したのだが、比較表を作ることを任され、あーでもない、こーでもないと、色々やった結果、A案が一番よい、という結果が出た。
コスト的にも、住民の生活的にも、それが一番だった。
しかし、上に出した所、既に予算も通り、いまさら計画を変えられないので、B案が最適となるように比較表を変更しろ、といわれた。
住民説明会でも、私が説明した。
よく分からないけど、さぼてんさんが言うならそうなんだろう、と、おじいさんが笑っていた。
この時、社会人一年目から、会社に泊まり込みまでして、ユンケルを飲みつつ、必死に仕事をしていたのは、一体、誰のためだったんだろう?、と考え込み、
気付けばウツ状態と呼ばれるものになってしまった。私も若かった。
この時点で、もう好きなことを仕事にするのは無理だな、とおぼろげながら、理解していた。
その後、紆余曲折あって、地元に戻り、食品会社に転職した。
ここでは、主に広告の仕事を担当し、やがて、WEB全般を担当することになり、それが今につながっているので、正直感謝しているのだが、ここも、14年勤めて辞めた。
おそらくWEBマーケティングは肌に合っており、得意な方だったと思う。
しかし、経営者の方針についていけなくなり、世代交代しても、その余波は当分続きそうだったので、見切って辞めることにした。
得意なことでも、最後まで続かなかった。
その後、フリーランスとして独立し、WEB関連の仕事で生きていくとしても、具体的に、何を専門にするかは悩んだ。
今までのキャリアを生かすと、食品や、健康食品、ということになるが、業界の裏も、表も知ってしまい、健康食品の社会的意義が分からなくなり、正直やる気が起きなかった。
で、結局、どうなったかというと、今は「不動産」の案件が主である。
正直、完全素人で、今まさに勉強中といった所なのだが、
信頼できるパートナーが見つかったので、あまり不安はない。
私は、不動産をやりたかったのでない。
信頼できる人、価値観があう人を先に見つけ、たまたまその人が欲していたのが、不動産案件のパートナーだったので、そうなっただけだ。
最初はどうなるかと思ったが、尊敬できる相手と仕事をすると、後れを取ってはならない、迷惑をかけてはいけないと、自然と勉強に身が入るもので、中々悪くない。
それに、どういう風に仕事をとらえているか、どんなやり取りを望んでいるか、も大体分かっているので、困ることも少ない。
簡単にいえば、仕事をする上で、ストレスがとても少ない。
気付いた時、私は、これだ、と思った。
仕事を選ぶ際、どうしても、好きなことや、得意なことを、基準に選んでしまいがちである。
しかし、面接で、「この人と一緒なら、働けると思った」とか、
起業をする際、「あいつと一緒なら、何でもできると思った」とか、
そういうセリフがあるように、
本来、仕事とは、内容よりも、「誰とするか」を重視して、選ぶべきものでないか、と思う。
変化の激しい世の中だし、ビジネスも色々、状況が変わるので、
それほど、骨子が変化しない、「人間」を軸に、仕事を選ぶ。また、変えていく。
そんな生き方も、いいのでないか。そう思っている。
では。