安定した仕事は、あなたから「成長」を奪う

会社やめるまでの軌跡

公務員が仕事できないといわれるのは、「安定」が一番の原因

こんにちは、さぼてんです。今回は、自分が退職することに決めた理由の一つをお話しします。

昔から、公務員は「仕事できない」とか「お役所仕事」なんて、よく揶揄されます。

私自身、前職では、発注者が主に官公庁だったので、知ってますが、少なくとも技術系や、一部の部署では、そのようなことはなく、

公務員でも、ビジネススキルがあり、レベルが高い仕事をしている方もいることは感じられます。

ただ、「安定している仕事は、人を成長させない」のも、また事実だと思います。

自身の経験からも、そういえます。

これが、究極の安定である公務員には、つながりやすい為ではないかと感じました。

ニッチな商材の中小メーカーは特に危ない

ウチの会社の商材は、食品の中でもかなりニッチなので、競合が少ないです

こういった、 登場から時代も経っているのにもかわわらず、ブルーオーシャンが続く市場は、世間からは「安定している」と評価を受けますが、

裏返せば、特に冒険しなくても、経営が続くぬるい環境、という事になります。

特に、中小のメーカーによく見られます。

こういった会社では、安定と引き換えに、下記のような問題を生みます。

  • 日々生まれる、新しい手法や技術を試さなくなる
  • 人材を配置したら、基本そのままでアップデートしない
  • 他業種から見れば成長の止まった会社になる

もう少し詳しく説明します。

安定病は、企業から危機感を奪っていく

新しい技術を試さなくなる。これは、特にIT、WEBの分野でよく見られます。

タスク管理や、グループ共有による業務効率化は、Trello、chatworkなど、フリーの機能でも有用な多くのツールが、すでにビジネスの現場で活用されてます。

しかし、田舎の中小企業では、使用どころか、その存在さえも、いまだ知らないという人が多数です。

ライバルと接することが少なく、常に情報をキャッチアップしていかなくても問題が起きないので、このような弊害が出てくるんですね。

いわば、危機感のない状態です。

また、ツールレベルでなく、ビジネスモデルの考え方、デジタルに全ての購買行動が内包された状態を起点で考える、というデジタルシフトの考えも、海外では既に主流となってきていますが、そのような理論は、頭の片隅にもなく、従来のビジネスモデルを淡々と続けてます。

中には、外部のセミナーに出て、触発された社員が、社内で勉強会を行ったりしますが、大抵の経営者は、

「ほぉーなるほど。最近はそんなやり方もあるのか。凄い時代になった。」

で終わります。行動を起こすことはしません。

それほど、企業を蝕む安定病は深刻です。

また、一度配置した人材を動かしたり、アップデートすることが、ありません。

人事、というのは、大なり小なり、痛みを伴うものです。誰もしたくはありません。

それでも行うのは、自身は変わらなくても、周囲は刻々と変化しているので、それに合わせて、社内を刷新していく重要性を分かっているからです。

しかし、かりそめの安定を享受している会社は、その安定を壊すのが怖くて、基本、定期的な昇格人事しか行いません。

これでは、社員も安定思考に支配され、危機感を持ち、出来る人間から辞めていくのは、無理からぬことです。

井の中の蛙は、AIに淘汰される時代が来る

そして、このような環境でも残る社員は、新しい手法は知らず、古い、ニッチな市場でしか通じないやり方だけ詳しくなっていくので、

多くが「井の中の蛙」になります。

悲しいことに、外部とのレベル差が分からないので、役職だけ積み重ね、自分も多少は出来る人間だと、勘違いするようになります。

他社、他業種にうつっても使えるようなスキルは身に付かないので、転職も怖くなり、今の立場を守るため、保守的な行動ばかりが目立つようになり、若手の信頼も失っていきます。

それは、やがて会社としての死につながります。

私も、今の会社に居続けたら、そうなるでしょうね。アラフォーで独立を決断できて、まだ良かったと思います。

勿論、安定している仕事は、安定している仕事で、よい面もあります。

自身のスキルアップなんて興味ない、という方もいるでしょう。

それは、人それぞれなので、それでよいと思います。

ただ、これから数年で、本格的にAIが様々な分野に導入されていきます。

ロボットのような仕事、スキルしかもたないなら、やがてAIに淘汰される未来が待っているのは、想像に難くありません。

なので、今は安定している仕事でも、下記を一度、考えてみるべきだと思います。

  • 取引先が広く分散しているか(一部の大きいクライアントに頼っていないか)
  • その商材は、本当に世の中に必要なものか。別に代わるものはないか。

どちらも「否」であれば、自社が変わらなくても、相手が変わることで、あっさり、その安定は崩れる可能性があります。

安定は、良いことです。ですが、成長を奪う危険なものでもあり、成長がないと、次代の安定を失います。

自分は、人生の中で、いつの「安定」を望むか。本気で考え、今の会社に居続けることが果たしてベストか、一度見つめなおすのも、この時代の節目に、必要なことかもしれません。