「退職願」と「退職届」の細かな違い

会社やめるまでの軌跡

先ほど、無事、退職願を書き終えた。明日は一日、工場応援なので、明後日の朝、上司に渡そう。

これで15年続いた田舎の中小リーマン生活におさらばである。感慨深いものは特にない。

おそらく人生2度目の退職願だが、正直書くのが面倒だった、という感想しかない。そう頻繁にあるわけでもなし、人生の岐路という、重要な分岐点くらい、手間を惜しむなと言われそうだが、面倒なものは面倒なのだ。

一応、ネットではある程度調べたが、想像通り、こういった様式美的なものは、「コピー用紙でOK」「便箋が良い」「手書きが良い」「タイプでもよい」など、意見もバラバラである。

私はもうおっさんなので、意見はあくまで参考に留め、最終的には自分の決断に従うが、経験のない若い方は迷うのではないかな。どうせ皆同じ文面を書くなら、ボタン一つで出せるようにすればよいのに。そんなくだらない事を思った。

結論からいえば、私は白封筒(郵便枠なし)、白便箋に手書き、内容は細いサインペン、封筒の表書きのみ筆ペンで行うことにした。中々、うまいことまとめたと思う。

しかし、便箋も無地封筒も、普段、家に無いものなので、無駄な出費だ。さらに、書き方を調べる時間、実際に書く時間で、2時間は無駄にしている。

普段なら、ここまで狭量なことはいわないのだが、なぜなのだろう。やはり、既に気持ちが全くない会社に対し、少しでも自分の時間を使うのが嫌なのだろうな。恋人を上書き保存した女性の心理というのも、こんなものなのかもしれない。それを体感できただけでも良しとしよう。

無駄知識ついでに、こんなアホな制度があるのは日本くらいでないかと、アメリカの事例を調べてみたが、どうやらアメリカでも普通に退職届は存在するらしい。ただ、アメリカと日本では大きな違いもある。日本の場合、「退職願」と「退職届」。2種類の届けがあるということだ。

この2つの違い。簡単にいうと、退職願は、〇月〇日に退職させてください、というあくまでお願い。ゆえに撤回も可能。そして、退職届は、〇月〇日に退職します、という決意表明。正式な届けなので撤回不可。ということらしい。

そして、どちらを出すのが良いかというと、日本社会では、まず「退職願」を出すのが一般的らしい。角が立たないように、ということだ。その後、改めて退職届を出すこともあるらしい。実にくだらない。

結局、労働側を下に見ているから、こんな制度が残るのだろう。対等な契約であるなら、なぜ「お願い」をしないといけないのだ、理解できない。しかも、撤回可能って・・。その程度の心がまえなら、そもそも退職願を出すべきではない。

ネットは結構、自由な意見が主流かと思ったが、この点については、退職願で出した方が良い、という意見が圧倒的に多数派を占めていた。嘆かわしいことである。皆、どこかにファイティングスピリッツを置いてきてしまったのだろうか。

で、私はどうしたか。勿論、「退職願」である。

たかが文字一つで、くだらない論争に巻き込まれる可能性が減るなら、それにこしたことはない。そして、納得いかず、胸に沸き上がったこの不快感は、こうして誰も読んでないブログで、しっかり棚卸をすればよい。ブログとは本当によいものだ。改めてそう感じた日曜の夜だった。