先日、40歳にして、ついにメルカリデビューをした。
・引っ越し時、処分しなかった不用品を売りたい
・自身でBtoC経験を積み、事業の参考にしたい
流石、70歳以上の高齢者でも出来るだけあって、非常に優れたUIで、いとも簡単に出品、取引まで終えた。こんな簡単なら、ゴミとして処分するんじゃなかった・・・と後悔したものが、山ほどあったが、仕方ない。今後の教訓としたい。
さて、2品、3品と順調に取引は進んだのだが、とある取引で1件クレームが発生した。
小さいラグ(カーペット)を売ったのだが、その裏の黒い汚れがカビではないですか?という質問だった。
流石に青ざめる。
しかし、ここで10年以上、通販業務に携わり、おそらく数千件のクレームを対応してきた経験が生きた。結果、相手の不安も解消され、無事、花丸の評価をいただいた。ホッと胸をなでおろす。
通販の仕事で鍛えたスキルは、メルカリでもかなり生かせるな、と思った次第なので、ここに備忘録としてまとめておきたい。
●お客様からクレームが発生した時の対応 3つの重要ポイント
①ごまかさない
私が若いころ、よくした失敗が、「ごまかそう」として、相手の逆鱗に触れる、という行動だ。
忖度のごまかしが通じるのは、会社同士の取引であるBtoBだけである。互いの利益を最優先し、落しどころを探ろうとするからだ。
一般ユーザーに対しては、駆け引きをしようとしてはいけない。
特に温度感が伝わらない、メールや手紙の場合は猶更である。
「これはまぁ普通に考えて仕方ないことですよね?どこもそうでしょ?」みたいな文面や、「あなたも不備がありましたよね?だからここは収めましょう?」みたいな文面は、決してテキストにしてはいけない。
いや、そりゃそうでしょ、と皆言うと思うが、実際出来てないのだ。自分が書いた文章を、友人や家族にでも見てもらえばよい。
自身や組織を守るために、文章の端々にそのニュアンスが出るのである。
これがきちんと出来る人は、それだけで充分スキルがあると誇っていい。
ではどうするか。
簡単である。正直に書くのだ。
当然、会社の場合、言えること、言えないこと、というのが存在する。
この辺は、人や会社それぞれだろうが、私はそれでも、許される上限まで本当のことを書き、さらに、どうしても書けない場合は、その気持ちがにじみ出る文章を書く。
この気持ちが出る、というのがポイントだ。本当に、本心から、伝えたいのに、伝えられない、という気持ちを書くのだ。長文でもいい。長さは結果であり、そこにこだわる必要はない。
私は自身の経験として、魂を込めた文章は、相手に伝わると思っている。
逆にごまかそうとした文章は、どれだけテクニックを使った所で、相手に伝わる。
私は今回、ラグの汚れがカビでないか?というクレームに対して、
・謝罪
・専門家ではないので、断定ができないこと
・ただ、アルコールと布巾で熱心に拭いたので、カビであれば落ちる可能性が高いこと
・長年、椅子の下に置いていたので、圧力からゴミがこびりついてしまったのでないかということ
を書き、返事をした。
これは、嘘偽りない自分の気持ちだ。
結果、相手からは、「丁寧に答えていただきありがとうございます。安心しました」と返事を頂けた。
勿論、これでも理解はしてもらえない相手もいるだろう。それは誠意を尽くした結果として、その事実を受け止めるしかない。その心構えも持つことも大事だと思う。
②自分の損を惜しまない
また、今回、私は、「もしどうしても気になるようでしたら、返金手続きなどをさせて頂きますので、ご遠慮なくお申し付けください」
というメッセージを書き添えた。
これも、相手からは「ご丁寧にありがとうございます」とお返事を頂けた。
メルカリを始めたばかりで具体的な手順など、何も分からない。システム的に、返金対応できないことはないだろう、と思って、とりあえず調べる前に返事をした。(後に調べて、事務局に連絡したら可能そう、というのは分かった)
仮に、無理だったとしても、そういう気持ちだということを伝えることが大事だと思う。
勿論、私だって金は惜しい。せっかく売れたのだ。
しかし、元はといえば、不用品である。本来ゴミとして捨てるものをわざわざ買ってくれた人がいるのだ。
であれば、気に入らない箇所があったと言われたら、それは相手に責任を求めるのではなく、自身の説明と、商品に不備があった、と受け止めるべきであり、多少送料を払ったり、手数料を払うことなど、気にするべきではない、と思う。
そんなことを気にするくらいなら、数百円程度、一日、節約して、代わりに気持ち良い取引で終えた方が、人生充実するのではないか、と私は思っている。
③すぐ返事する
最後はこれ。通販のクレーム対応で、最も重要といわれるもの。
とにかくすぐに返事を送る。もし時間がかかる内容なら、いつまでに正式に回答します、という返事でもいいからすぐ送る。
理想は30分以内、延ばして1時間まで。
自分に置き換えればよく分かる。
返事が来ないと、人は色々なことを考え、さらに想像を膨らませてしまうのだ。
やましいことがあるから、すぐ返事ができないのではないか?
と。
私は通販の現場にいたので分かるが、実際はそうでもない。
どこもギリギリの人数で回しており、特にメール共有のグループウェアを導入してない中小企業では、部署内に共有機が1台あり、それでお問い合わせメールを受けるような体制も、チラホラみられる。
この場合、メールチェックは当番制にになっており、担当の人間が忙しいと、数時間チェックできないケースもある。下手すると、このご時世でも、受けたメールの返事は全て翌日以降、という対応をしている会社もある。
しかし、誰もがスマホやSNSで、リアルタイムでも情報のやり取りに慣れた現代において、それでは遅い。あらぬ誤解も招く。
返信のスピードは、内容よりも勝る。
どれだけ完璧な文章だろうと、3日後に来たら、あなたは納得するだろうか?
なので、メルカリだろうと、なんだろうと、クレームが起きたら、すぐ返事。詳細が難しいなら、その旨と、いつまでに言うかの返事。
これを守るのが鉄則だと思う。
以上、メルカリを初めて数日の初心者だが、おそらく、そんなに的は外れてないと思うし、どんな商売でも、基本は変わらないと思う。
せっかく10年以上勤めて学んだのだから、今後の礎にしたいと、改めて感じた次第である。