トップに求めているのは、「決断の速さ」だけだと、気づいて欲しい

人生観・仕事観

本日は台風が直撃するということで、社長命令により、会社が午後から休みになった。そのこと自体は、大いに支持する。

だが、喜んだものは少ない。むしろ社員からは「怒り」のオーラが満ちていた。

なぜか。

それは、その決定および通達が、当日の朝に行われたからである。

当然のごとく、社内は混乱におちいった。工場の稼働、製造計画、当日の受注、全ての計画が狂うからだ。

その程度で・・・、命とどちらが大事なの・・・、と言われるかもしれないが、全工場を半日止めるとなると、その影響は小さくない。

また、半日で止めること自体を攻めているのではない。皆が怒っているのは、それを「当日」に決めたことだ。

今回は、過去の反省からか、航空会社やJRなど、各社が「前日の早い段階」から、運航停止、休止を決めていた。ウチがメインで使っているヤマト運輸も、今回は「前日」のうちに、本日の集荷、発送を全面停止すると通達してきていた。

なので、その時点で、ウチもどうするかは決められたのである。

しかし、社長はその時は何も決断をせず、通達もしなかった。

であれば、社員としては、ウチは通常通り仕事するのだな、と考えるのが普通だろう。

だが、結果はこうである。

重ねていうなら、社員がこれだけ怒っているのは、この「遅い決断」が、毎回のように行われるからだ。

「またかよ・・・」「社長ホント勘弁してよ・・・」

と、社員のフラストレーション増加、およびモチベーション低下は相当なものである。

世の企業トップは、求められているのは、「早い決断」だけだということを、いい加減に理解して欲しい。

それにより失敗したら?と言われたら、それは知らん。

それでも人望があれば、人は着いていくだろうし、この人に着いて行ったらヤバイな、と考える人は離れていく、それだけの話だろう。

だが、「決断が遅い」トップには、その時点の人が着いていかなくなる。結果以前の問題だ。もっとも、このご時世、決断の遅い経営者が結果を出せるとは思わないが。

日本の経営者は、海外の人から、その「決断の遅さ」をよく指摘されるというがマジである。

台湾のとあるメーカーに聞いたのだが、ある商品のPR動画について制作依頼をしたら、日本の会社は非常にクオリティの高い動画を提案してきたそうだ。制作期間の見込みは約3ヶ月。

その台湾メーカーは、「あなた方が非常にクオリティ高い動画を作れることは分かった。でも待ってられないので。Youtubeにあるような手作り動画でいいから、それでやって。は?嫌?、いいからやれ。Do it now!」と言ったらしい。結果は上々だったそうだ。

ちなみに、その後、高クオリティ動画も一応作って、最初の手作り動画と比較分析したそうだが、手作り動画の方が、売上貢献度が高かったらしい。

今のご時世、不覚的要素が多すぎて、どうせ正解なんて分からないことばかりである。社員だって、トップがそんなものを全て勝ち取ることができないことは分かっている。

だから、求めてるのは「いち早い決断」。究極的には、これだけなのである。

これから会社を継ぐような人は、ぜひ、そのことを頭に入れておいて欲しい。

決して、言い訳だけがうまい先代の話に載せられて、本質を見失うことのないよう願っている。