田舎の中小企業は、求人にもっと「リスク」を負うべき

会社やめるまでの軌跡

今日は求人サイトを運営する会社のインタビューに答えた。私の後任を探すためである。

辞める人間が求人のインタビューに答えるとか、どんなギャグですか?って感じなのだが、WEBの仕事内容を他に答えられる人間がいないのだから仕方がない、ということらしい。

いや、仕方がないではなく、誰か必死で覚えろよ。仮に新人が入ってきても、教えられる人間がいない、評価できる人間もいない、ということなるよ?と思うので、いろいろ提言してみたのだが、聞く耳をもたないので、、そもそも解決策が破綻していると思うが、もう諦めた。

「やってみなければ分からない」というキレイな言葉がそれほど好きなら、やってみたらよろしい。それは他力本願の免罪符ではないと思うがね。

さて、今回の求人サイトの会社であるが、「待遇」ではなく、「働きがい」に焦点を当て、求職者に訴えることをコンセプトにしているとのこと。実に意識高い。今風である。

そのポリシーには、中々共感するところも多かった。おそらく期待のもてる人材が入社してくれるのだろう。

ただ、問題が一つある。それは、ウチが単なる地方のブラック会社ということだ。

役員は、ずいぶん「社員は家族」「みんなが経営者」という点をアピールしていたが、ライターが少々引いていた空気に気づかないのだろうか。それ全部、ブラックの代名詞ですから。

今の若い子は、一昔前に比べてとても賢い。老人は根性がないだの、軟弱だのと文句を言うが、それだけ今の世の中をよく見ており、抜け目がないといえる。どうしたら「自分の人生をうまく回せるか」という点について、考える本気度が違うのだ。昔とは。

なので、求人サイトの情報など、たとえ余所行きの嘘で塗り固めても、口コミサイトやにじみ出る雰囲気で、たやすく看破される。ましてや、うちのように、ブラック発言に気づくことなく、垂れ流す会社など、問題外である。

加えて、求人サイトのライターに聞いたところ、やはり地方の求人は、東京に比べ、「移住」というハードルがある分、募集は少ないしそうだ。

であれば、よほど魅力的な会社でない限り、待遇面で勝負するしかない。

私が今まで家賃無料(全部会社持ち)という待遇だったので、後任もそうすべきと提言したのだが、経営陣は、「仕事ぶりを見て考慮」という判断にしたらしい。

だから、それじゃダメなんだと。本当に自分たちの都合しか考えないのだな。

「外れ」を引く可能性があるとしても、本当にWEBを任せる優秀な人を取りたいなら、最初から同じ家賃タダで募集すべきだ。その程度のリスクも飲めず、良い人材をとりたいなど、夢を見すぎとしか言いようがない。

仮に全く使えないボンクラを引いたなら、それは採用した人間の目が節穴だったということだ。しっかりその責任をとればよい。

とにかくリスクだ。よい人材をとりたいなら、もっとリスクを負おう。むしろ、みんなそこをケチってる今は、チャンスじゃないか。田舎で働きたい人は、一定数いる。そこをとるために、田舎の中小企業の経営陣、とくに二代目はもっと全力でリスクを負ってほしい。

という提言をしたのだが、響かなかった。

経営ってむつかしいね。