無駄なブレストは今すぐやめよう。大抵の場合、それはただの非効率なガス抜きである。

人生観・仕事観

私が就職し、上司から教わったことの一つに、「ブレストの重要性」がある。

今でも上司は尊敬しているが、これについては、正直最後まで、賛同できなかった。

ブレストで得られるものも確かにあるが、それは別の方法でも可能性であり、非効率な面が多すぎる、というのが、長年、田舎の中小企業で働いた私の感想だ。

もっとも、大手企業で、メンバーの多くが、仕事に対して前向きな人間の場合は違うかもしれない。

私の場合、中小企業にしか勤めたことがないので、あくまで、その上での意見として聞いてほしい。

まず、大前提として、決定権者のいないブレストは、無意味。いや、正確には非効率だ。

いやいや。まず、ブレストで皆で忌憚ない意見を出し合って・・・、そのあと、決定会議でしょ?

と言われるかもしれないが、それはスキームが確立している少数の「きちんとした企業」の話であり、大抵の場合、そうではない。

特に、私の場合は、ブレストに参加する中に、創業者一族の人間がおり(無能なので本会議には参加しないのだが)、本会議で決定後、自分の推した案が採用されなかったことに憤慨して、トップに上訴。また、会議をやり直す、という茶番劇がたびたびあった。

これは極端な例かもしれないが、田舎の中小企業、特にオーナー会社において、同じ議題で何度も会議するとろくなことにならない、という良い見本だと思う。

そして逆説的になるが、決定権を持つ人間が決まっている場合、忌憚のない意見など出ない。

特に、長いものに巻かれろ的な、モチベーションの低い人間からは。

そこには、役職には現れない上下関係が存在し、下は忖度して意見を合わせ、上は上で、意見を押し通すか、下手に下の人間に気を遣い、自分を曲げる、という、美しいようで、「非常に非効率」な現象がでてくる。

これでは単に好き勝手言う人だけが、ガス抜きでスッキリするイベントになってしまう。

では、どうするかだが、私の場合、以下の方法を採用していた。

1、ブレストはしない

2、議案について、「どう思うか」を個別にヒアリングする

3、誰がどの意見を言ったかは公表しない

4、最終的に意見は参考にするが、決定はあくまで自分で行う

5、自分の裁量範囲ならそのまま実行。超える場合は、皆の意見を参考にしたと伝えたうえで、本会議にかける

以上である。

これなら、自分の意見が「多数派」だったのか、皆は分からないので、決定後も文句を言いずらい。

となれば理想なのだが、現実はそう甘くなく、決定後、「メンバー同士での答え合わせ」が行われることが多い。(偏見かもしれないが、女性に多い気がする)

「私はA案にしたよ」「私もA案」「えっ、じゃあ何でB案なの?」「私たちの意見、蔑ろにされてない?」

みたいな。

結論からいえば、これは放っておけば良い。彼女たちも決定が覆るとは思ってない。ただ、ガス抜きしたいだけなのだ。自分が悪者になれば済む話なら、その方が面倒がなく、むしろ楽である。

面と向かって言われたら、では今度から、あなたが決定してください。と返そう。(やんわりと)

おそらく、「そういう意味で言ったんじゃない」「なんでそんな話になるの」などと批判されるので、それを笑顔で受け流すのが吉である。