今更だが、ふろむだ氏の、【人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」 で決まっている
】を読んだ。
一時期、話題だったらしい。
私は、あまりビジネス書を読まないので、知らなかった。(最近は、たまに読むけど)
まとめると、
・「錯覚資産」とはなにか
・「錯覚資産」を活用するにはどうしたらよいか
という内容だった。
アマゾンのレビューを見てると、
・ハロー効果について、長々と説明しているだけの、内容が薄い本
と酷評している人がいたが、概ね合っている。
が、イコール、悪い評価にはならない。
内容が薄い、というよりも、「読みやすい」本だった。
1ページ当たりの文字数が、むちゃくちゃ少なく(1行、2行だけのページも多い)、挿絵がふんだんに使われているので、絵本のようにサクサク読める。
多分、相当、読むのが遅い人でも、1時間半もあれば、読めるはず。
読書に慣れてる人なら、それこそすぐだろう。
つまり、読みやすさをトコトン追求することで、本書の目的である、「いかに幅広い層に、錯覚資産の重要性を伝えるか」という点を十二分に果たしており、私は良書だと思う。
ただ、本当に早く読み終わるので、わざわざ買わなくてもいいかもしれない。(リンク貼っといて、何だが)
人気が落ちないのか、メルカリでも、結構いい値段がするので、お金がない人は、図書館で借りてもよいかもしれない。手元にあってもいい一冊だが。
さて、この本を読んで思い出したのは、
私が人生で初めて、部下の査定をした時のことである。
ちょうど、主任になった頃なので、28歳くらいの頃だったか。よく覚えていない。
その時、総務部長から渡されたプリントが、「ハロー効果に騙されず、きちんと面接しよう!」的なやつで、私はこの時、初めて「ハロー効果」という言葉を知った。
簡単にいえば、
・先入観をもつな
・嫌いな部下でも公平に評価しろ
という内容だった。
おそらく、これを読んだ人の100人中、100人が、「そりゃそうだろう」と、思うはず。
実際、私も、「ひいき目」抜きに、評価してきたつもりだが、本書が正しいなら、「ハロー効果は避けられない(正確には、脳内で考えが作り替えられるので、ひいきしている意識そのものに気づけない)
ということになる。これでは、どうしようもない。
確かに、「嫌いだが、仕事は出来る」、という評価は、理論上は存在するが、そういう評価を下した上司に、私はついぞ、お目にかかったことがない。
基本、仕事ができる=自分の役に立つ=高評価
だ。
そう考えると、やはり、査定とか意味ないな、と思う。いちいち、面倒な調査票など書かせなくても、評価は決まっているのだ。互いに時間がもったいない。
当時も無駄だと思っていたので、私の中で、査定は、ただの「部下の愚痴を聞くタイム」だった。
笑顔で、うんうんと聞いて、部下のガス抜きをしてやればよいのだ。
その後、ビールでも飲んで、膿をだせばよい。
実際、初めて査定をした時は、仲が良い(と私が思っていた)3人グループが、実は、互いを嫌っており、
面談で、AがBの悪口、BがCの悪口、CがAの悪口、を言うという、素晴らしい時間を過ごせた。
あの時は、心底、「女こええ・・・」と思ったものだ。
その夜、ビール4杯を空けたのは言うまでもない。
さて、なんだか話がずれた気がするが、ようするに、
・人とは「ひいき目」を持つものであり、それは避けられない
・なので、いかにそのひいき目、「錯覚資産」の存在を意識し、うまく立ち回れるか
が、人生において、いかに重要であるかを書いたのが、本書である。
冒頭で申し上げたように、1時間もあれば読め終えるので、
まだ、読んでない方は、ぜひ手にとって欲しい。
では。