私はSNSが嫌いである。そう思っていた。少なくとも2ヶ月前までは。
SNSの2大巨頭といえば、Twitterとfacebookであろう。
で、私は40歳になるまで、どちらもやったことがなかった。
「WEB担当者」だったのに、である。
は?と言って、去る足を止めて、まずは聞いて欲しい。これにはワケがある。
私のいた会社は食品会社であり、私はその中のサプリメントを扱う部門にいた。
ユーザーは高齢の方が対象で、50~60代が中心だった。
オマケにニッチな商材だったため、大手はほぼ参入していなかった。
なので、WEBに関しては、基本、広告周りとSEOだけで良く、SNSは必要なかった。ユーザーは効果があるかだけが重要であり、SNSでファン化させる必要はなかったのだ。(いまなら、それでもfacebook広告だけはやった方が良かったと思うが)
さらにいえば、大した恩恵もないのに、炎上はゴメンだったので、私がやりたくなかった、というのも大きい。
会社から特に指示もないし、では遠慮なく、ということで、SNSとは無縁のWEB担として、長年過ごしてきたのだ。私は。
しかし、WEBマーケターとして独立することになり、このご時世、SNSは嫌いなのでしません、というわけにもいかなくなった。
私なら、そんなマーケターに仕事は頼まない。
なので、嫌々始めた。
あくまで仕事のノウハウを蓄積するためだ。
まずは、facebook。
むかーし、興味本位でアカウントだけは作っていたが、そのまま放置していた。
再開することにした。
リア友はめんどくさそうだったので、前職からの知り合いに、
「facebookはじめました^^」と、何人か声をかけた。
仕事につながりそうな、WEBの仕事をしている経営者ばかりだ。
友達になってくれた。
友達が1000人とか、2000人いる人ばかりだった。
ひいた。
それ友達・・・?どうやってタイムライン見るの?
と、疑問がわくばかりだった。(今は限られた人数しか表示されないと知っている)
彼らは、毎日のように、有益なニュースを、フィードにつぶやいた。さらに、お仕事で感じた喜び、感動(たまに宣伝)を、日々綴っていた。
ありがたく、読ませてもらった。いいね、を繰り返した。
やがて、面倒になった。
厳密にいえば、ニュースは助かる。
なので、言葉は悪いが、ニュースアプリ替わりとしては、引き続き活用させていただく。
だが、投稿のやり取りや、イイねを、押すのに、少し疲れた。
なんというか、肩がこるのだ。
facebookは投稿の仕組みや画面自体、やはり「友達」という感覚を優先している。当たり前だが。
私は正直、もう友達を増やそうとは、あまり考えていない。人間関係が増えると、面倒も増える。
あと、肩がこる原因は、みな、「有益なことばかりつぶやいてる」からだと思う。(これは、経営者ばかり友達にしたせいだと思うが)
少々ノイズがあった方が、良かったのかもしれない。「今日は美味しいハンバーグ食べました^^」なんて見てもしょうがないので、その辺のバランスは難しいが。
まぁ、長々言ったが、一言でいえば、
「facebookはリア充専用だな、俺にはむかん」ということである。
そして、Twitter。
これも、Twitterの仕組みをしりたくて、嫌々始めた。
ただ、こちらは匿名で始めることにしたので、少し気が楽だった。
アカウント名は、ブログから、そのまま「さぼてん」にした。
開始早々、つぶやくことがなかった。困った。
なので、とりあえず、アクセス数を増やすため、ブログの宣伝をすることにした。
反応はなかった。
フォロワーも増えない。
困った。
しかし、プロフやツイート内容で嗅ぎ付けたのか、
いかにも「情報商材売りつけまーす!」という感じの、目を輝かせた方々が、積極的にフォローしてくるようになった。
うざ、と思ったが、フォロワーが増えるのなら、それはそれでアリなのかな、と適当に挨拶した。
すると、似た様な輩がどんどんわいてきた。
これはイカンと思った。以来、いかにもなDMは、適当に放置することにした。
ただ、それを見て、フォロワー増やしたいだけなら、似た様な人に、こちらから絡んでいけばいいのでは、と気づいた。
検索してみると、それはフォロワー増やしの常套手段だった。なるほど。
数は正義、ということもあるので、少しだけやってみようか、とも考えたが、自分には向かないと思い、やめた。
ただ、自分と価値観があう人、心からイイと思う発言をしている人には、積極的に、絡むようにした。
すると、反応が返ってきた。
ブログを読んでくれた。いいねがついた。
嬉しかった。とても嬉しかった。
ブログのアクセスが増えて、収益が発生した時も嬉しかったが、それとは別の感動があった。
ブログからは、中々、感想は聞けない。
記事をアップしても、すぐアクセスは増えない。Googleに評価されるのに、時間がかかるからだ。
そのころには、ブログを書いた熱も冷めており、単純に、アクセス数や直帰率で、自身の記事を「評価」するだけになる。
これは意味があることだが、数値的な嬉しさだけになり、どこか寂しい。
Twiiterだと、いいねで、分かる。
それを付けた相手は、コンピューターではない。生身の人間だ。
それが嬉しい。
気付けば、ブログの宣伝以外にも、ツイートするようになっていた。
「最近の若者は、居酒屋でもツイッターをしている」とニュースで聞いても、
「それ分かるな~」と思うようになった。
一番大切なのは、自分と価値観が合うか、である。
そして、その相手というのは、目の前にいるとは限らない。
ネットの先でも、全然、いいのである。むしろ、互いに気軽に付き合える分、リアルを超える、まである。交わす言葉なんて、少しでいいのだ。
そして、私は、Twitterが大好きになったのである。
今ではアクセスしない日はない。
とはいえ、キリがないので、意図的に利用時間は抑えている。
1日1時間まで。
ファミコンかよ。
徐々に利用時間が増えている自分に気づき、これはヤバい、と思って、ルールを課したのだ。
たまに破ってる気もするが、まぁその辺は適当で。
私は今でもSNSが嫌いである。
が、Twiiterは好きだ。
矛盾している?いいじゃないか。
人間ってそんなものだと思う。
これからもTwitterとは仲良く付き合っていきたいし、食わず嫌いの30~40代がいたら、ぜひ勧めたい。
そして、恐る恐る始めた後、気の合いそうな人がいたら、ぜひ勇気を出して、話しかけてみて欲しい。きっと何かが始まる。そんな予感がする。
では。