「やらないで済む理由」を、死ぬまで探し続ける人たち

会社やめるまでの軌跡

会社で働いていると、時折、「小学生か!」と言いたくなるような人間に出会うことがある。

最近の小学生は、非常に賢いので、むしろ小学生に失礼である。

そう思わせる人間には、大抵、ある共通点がある。それは、常に「やらないで済む理由」を探しているという点だ。

非常に困ったことに、本人だけは、「会社のために」「業務の効率化を考えて」「正しいことを言ってる」と思っている。だが、第三者からすると、「それ今突っ込むこと?」ということばかりだ。

一例をあげると、現在、私は自身のやっていたWEBマーケティング業務を、後任に引き継ごうとしている。

会社が決めた人選で、ド素人なだけならまだしも、仕事に対し、まったく熱意のない人間である。答えのない解を探さなくてはならないマーケティング業務には、全くもって向いてない。

しかし、創業者一族へのロビー活動だけは死ぬほどうまい(一族がちょろすぎるともいう)。そのために、今の地位にいて、今回の人選となった。

ある意味、墓穴をほった形である。最後まで、自分は有能である、という仮面を外さなかったのだから仕方がない。自業自得。

さて、マーケーティングのマの字も知らないのだから、取引先との打ち合わせ前に、とりあえず簡単な専門用語くらいは覚えてもわらないといけないと思い、初心者向けの書籍を渡したのだが、当然のごとく読まない。3回言っても読まない。

「やる気ないなら、ド素人がマーケティングやるなんて無理だよ?」と、暗に、「今のうちに白旗上げとけ、まだ間に合う」、とアピールしたのだが、あろうことか、

「そもそも本を読んで覚えられるわけがない」

「きちんと一から丁寧に教えて」

と言い出した。

小学生か!はい一回目。

さらに、これから挨拶をする取引先のリストを見て、

「会社が多すぎる。非効率」

「全部WEB関連なのだから、一社にまとめるべき」(WEB広告代理店、ツールベンダー、保守運用会社、などを見て)

と言い出した。WEBの仕事を、まだかけらもやったことのない人間がである。

基本的にアルバイトレベルの仕事しか、これまでしてないので、それぞれ、専門分野があるということが分からない、ということもある。

だが、根底は、「とにかくやらないで済むようにしたい」。これなのだ。

たとえ嫌でも、後で自分が困ることになるのが、分かっているのだから、ある程度、我慢して、落しどころを見つける。それが大人だと、私は思う。

しかし、そうでない人たちは、決して、自ら頑張ろうとはしない。なぜなら最終的に自分が困ることになっても、それを、会社や社会のせいにするので、問題ないと思っているからである。

もちろん、そうやって誰かのせいにし続けていれば、やがて、その対象さえいなくなる。その時、自分がどうなるか。そこまでは考えないのだろう。

私は、このような人たちに付き合い、自分の人生を浪費するのは辞めた。

もし周りにそんな人しかいないと感じていたら、私のように数年遠回りする前に、さっさと転職か独立するのをお勧めする。

ある程度大人になれば、もう人間は変わらない。2が4になることはあっても、マイナスがプラスにはならないのだ。