【大原則】食品は「病気に良い」(プラス作用がある)と書いてはいけません

食と健康

最近、コロナウイルスの流行にのっかってか、

・免疫力アップ!

・ウイルス対策に!

といった、広告表現が目立ちます。

個人的に「うーん」と思っています。

最近は、熱量の高いコンテンツを自社で作ろう!

という気勢が各社であり、それは大変けっこうなことなんですが、

手作りしている人の殆どに、薬機法、建増法、景表法といった、法律の知識がないので、ほとんど「感情レベル」で、セーフ、アウトを判断してます。

例えば、

「がんが治る!」は流石にだめだけど、「がんにいい」ならいいよね!

とか、

「レモンで風邪は治る!」はダメだけど、「ビタミンCが風邪に効く!」はOKでしょ!

みたいな。

これ、ぶっちゃけ結構危険です。

たとえ、それが100%善意からの行動であろうと、原則として、法的にOKかどうかの判断で、そこは考慮されません。むしろ、されてはいけない所です。

しかし、広告表現の法律は、かなりややこしいです。その微妙なライン加減を、素人がすぐ理解できるものではありません。

なので、私は、健康関連の表現を広告でするなら、必ずコンサルタントを雇う、または、法的表現のチェックをしてくれる会社に依頼するのを、お勧めします。

が、そんなところにコストはかけられない!

という会社も多いと思いますし、自分で多少は勉強しないと、コンサルの言ってることが正しいかも判断がつかないと思うので、

一応、前職で10年以上、健康食品、食品関連の広告表現、法規に、多く携わった経験から、

広告やコンテンツを作る際、ここを抑えた方がいいよ!というポイントを書いてみます。

分かりやすくするため、細部ではここが違うよ!という点もあるかと思いますが、ご容赦ください。

1、「病気に良い」(プラス作用がある)と書いてよいのは、医薬品だけ

まず、大原則として、病気に効果がある、と書いていいのは、薬だけです。

健康食品はダメです。そして、よく勘違いされますが、ふつうの食品もダメです。

許されるのは、あくまで「維持」です。0.1でもプラスにする表現は許されません。

だから、「健康維持に!」という表現を、アホほどよく見かけるのです。

「増強」「改善」などは、今の状態からプラスにもっていく表現なので、全部アウトです。

2、食品と健康食品は、基本同じだが、一部例外がある

一般の人はあまり知らないことですが、食品と健康食品に、法律上、区別する定義はありません。

保険機能食品(トクホ、機能性表示など)は例外なので、その辺がややこしくなってますが。

なので、それらを除いたら、適用されるルールは基本同じです。

食品だからOK、健康食品だからNGということはありません。

スーパーのPOPとかで、野菜に「風邪に効く!」とか書いてるのを、たまに見ますが、

あれは、役所も忙しいから突っ込まないだけで、本当はアウトです。

ただ、食品には「明らか食品」という特例があり、

別の成分を加えたり、遺伝子組み換えとかしてない、自然な食べ物であれば、「体に良い」的な表現まではして良い、ことになってます。

なので、「免疫力が高まる」的な表現も、ここではギリギリ許されます。

ただし、「病名」はダメです。ここがよく勘違いされてます。

「免疫を高める」がOKだからといって、「風邪対策に」はOKとはなりません。

詳しく解説しだすと、とても長くなるのでしませんが、とにかく「病名はNG」と覚えてください。

3、食品名ならNGでも、成分名ならOKでしょ?は間違い

ここもよく勘違いされますが、食品名や商品名はだめでも、成分名(たとえばビタミンなど)ならOKでしょ?と聞かれますが、これもNGです。

最初に書いたように、「病気にプラス作用」を書いてよいのは、薬だけです。成分もダメです。

さらにいえば、商品とセットの広告には書かず、リンク的な導線もつながず、あくまで「記事」として、別のオウンドメディアに書いたとしても、

場合によっては、景表法や健康増進法の方でアウトになります。

なぜなら、科学的な根拠(エビデンス)が足りないからです。

WELQ事件から、大分いい加減な記事が減りましたが、今でもエビデンスが適当な健康記事は散見されます。

厳しいことを言ってしまうと、大抵の人が信じている、○○が~に良い!というのは、大体、TVなどのメディアに刷り込まされた思い込みです。

それを自身が信じたり、家族や知りあいに伝えるのは良いのですが、広告表現やコンテンツに書く場合は、法的にOKかどうか、というラインを、必ず意識しなくてはいけませんし、

そのラインは、科学的根拠が正しいか、という点で判断されます。

このデータベースに書かれていなければ、基本的には、科学的根拠はないと判断されますので、ご注意ください。

ページが見つかりませんでした – 「 健康食品 」の安全性・有効性情報

なんか書いてるとキリがなくなったので、この辺でやめますが、また気が向いたら書こうかなと思います。

今回は、こういう暴走したアホな人が出てきたこと(世の常ですが)や、

エラー - NHK

身の回りで、法的知識が全然ないのに、気軽に「ウイルス」とか広告に書くひとが散見されたので、(気持ちは分かりますが・・・)

何となく書きたくなって、この記事を書きました。

冒頭でも書きましたが、広告表現についての法律ルールはとても難しく、最近は行政の目も厳しくなってますので、あまり舐めずに、ちゃんと専門家のコンサルに頼るのをお勧めします。

うちは中小零細だから大丈夫でしょ!と安心してたら、行政から指導が入って、白目になったケースを沢山みてきましたので。

では。