ボーナス支給一か月前に、退職届出したのに、きちんと満額でました

会社やめるまでの軌跡

失礼ながら驚いている。今日は夏のボーナス支給日だった。

しかし、まったく期待していなかった。なぜなら、一か月前に退職届を出したからである。

もちろん、理屈上は、純粋に1~6月の働きに対する評価で出るものだし、退職するからといって、一方的に減額するなど、あってはならない。

だがそんな綺麗ごとなど、田舎の中小企業という王国の前では、吹けば飛ぶ紙きれ程度の存在でしかない。長年勤めたのだ。それは自身がよく分かっている。

実際、社畜ブログや、セミリタイアブログを見ても、

「退職前のボーナスめっちゃ減らされた」

「ボーナスでなかった。ちなみに退職金も出なかった」

という、悲痛の叫びが寄せられていた。

ウチの会社も、労基ご認定の正当なブラック企業。当然、例にもれず、ボーナスは出ればラッキー、くらいに考えていた。逆にいえば、そのくらいの覚悟をした上で、6月上旬に辞意を伝えた。

ところが、まさかの満額である。明細を開いたとたん、つい声をあげそうになってしまった。

嬉しい、というよりも、「何が狙いなんだ?」という疑念が先に立ってしまう。

人として間違っていると思うが、それほど、14年の中小企業勤務で植え付けられた猜疑心の根は深い。

しかし、冷静に考えてみると、所詮一人のボーナスである。しかも一部上場企業のように、100万円近い金額ならともかく、たかだか40万円くらいのもの。

そんな所をケチって、無駄に反感を買うよりは、そのまま出した方が、「なんていい会社なんだ・・・。これは気合を入れて、引継ぎしないとな!」と勘違いしてくれるかもしれないので、メリットの方が大きいのかもしれない。

実際、私も一瞬そう思いかけたし。

ただ、よく考えると、嬉しいことは嬉しいが、改めて感謝する、とまでは思わないかな。

冷静になって考えると「、満額出ること自体は普通のことだし、賞与が出ようが出まいが、引継ぎはできる限りするだけなので、変わらん。

そう思うと、退職者のボーナスを減らすのも、一つの選択肢としては、あながち間違いではないのでかもしれない、とふと思った。

私のように感謝しない人間も多いだろう。出たら出たで当然と思うからだ。

そして、出さないからといって、敵に回すという程のこともない。責任感に強い人間なら、どっちみち仕事はする。

ブラックと噂を立てられるリスクも、もともとブラック要素満載なら、今更なので問題ない。

退職者にボーナスを満額出すか、どうか。大手なら悩むことはない問題だが、中小企業、特にブラックの経営者には、なかなか悩ましい問題だな、と思った次第である。