キャッチコピーと名言の違い
こんにちは、さぼてんです。今日は、できる限り楽に、キャッチコピーを書けるようになる方法を、自分の体験からお話しします。
いきなりタイトル詐欺といわれそうですが、完全に「楽」ではないです。 できるだけ、ということで。
私はWEB担当者ですが、広告の仕事もするので、これまでそれなりの数、キャッチコピーを書いてきました。
キャッチコピーというと、CMや大きい広告の有名なコピーを思い浮かぶ人がいそうですが、それが企業活動であれば、小さなチラシや、コラムの見出し、タイトルも、全てコピーです。
コピーと名言の違いは、「明確な目的があるか」ですね。
名言は、最初から誰かに何かしてもらおうと思って、出すものではないですが、コピーには必ず、その企業ならではの目的が存在します。
コピーの目的は、「購入行動」と「ファン化」
大きくわけると、「商品を買ってもらう」、「ファンになってもらう」。この2つですね。
さて、この前提で、コピーの考え方をお話しします。
私が最初に担当したキャッチコピーの仕事は、商品に入れるパンフレットのキャッチコピーでした。
なので、一番の目的は「商品を買ってもらう(リピート注文してもらう)」という事になりますね。
この例でいきますと、まずすべきことは、
- 誰に(ターゲット)
- 何をしてもらいたいか
を書き出します。
私の場合、
- 50~60代のシニア、特に健康志向の高い女性ユーザーに
- ウチの健康食品を買ってほしい、できれば定期購入を申し込んで欲しい
という事になります。
あとは、商品の強み、会社の強みなどを深堀して、100本くらいキャッチコピーの案を書き、その後、ブラッシュアップしていく。
という流れが一般的だと思いますし、実際、私もこのやり方でコピーの書き方を覚えていったのですが、
正直、現代ですと、これは効率が悪いように思います。(上司はこのやり方を勧めるでしょうが)
この方法は実力はつくかもしれませんが、非常に時間がかかります。労働時間削減が叫ばれているご時世、プロのライターを目指すのでもなければ、できる限り、効率性も重視しないと、人材を鍛えるのは、現実的ではないと感じます。
実力をつける一番の早道は、まずパクる
私が初心者にお勧めする方法は、下記の4つです。
- ①ライバル会社のサイトからパクる
- ②キャッチコピーのまとめサイトからパクる
- ③キャッチーコピーの書籍からパクる
- ④同じ業界のプロ、職人が書いた本からパクる
※下にいくほど、お金がかかります。
基本的に、これらのやり方でまとめた後、自社風に少しアレンジするだけで、良いコピーが書けます。順に説明しますね。
ライバル会社のサイトからパクる
一番簡単な方法です。ライバル会社のサイトを見れば、あなたのように散々悩んだ担当者が、苦労の末、上司やスポンサーにOKを出され、世に出たコピーが、すでに沢山並んでいるはずです。
ここで大切なのは、「ふんふん」と見るだけではなく、Excelでもwordでも、ツールでもいいので、
自分の心が少しでも動いた、と思ったフレーズは、全て書き出しておくことです。
色々なことを考えだすと、手が止まってしまうので、とにかく見る、心が動いたら書き出す、を繰り返してください。スピードが大事です。
キャッチコピーのまとめサイトからパクる
こういうサイトです。「キャッチコピー集」「キャッチコピー まとめ」などで検索すれば、色々でてきます。
同じように、心が動いたら、それが自社の商材と違ってもいいので、とにかく書き出してください。すごく良いコピーを見ると、つい読みこんでしまいますが、時間がもったいないので、そういうのは家で暇なときにやりましょう。
キャッチコピーの書籍からパクる
有名なコピーライターですと、「売れるキャッチコピーの書き方」的な本を出しています。ここからも、同じようにパクりましょう。買うのがもったいなければ、
- 図書館で探す
- 古本(amazonやブックオフ)で探す
- Kindle Unlimitedで見つける
も低コストで可能なのでお勧めです。少し古い本でも、コピーライティングの基本は、そんなに変わらないので、問題ありません。
同じ業界のプロ、職人が書いた本からパクる
私の場合ですと、食品会社で、健康食品なので、
海外で成功したシェフや、免疫療法の専門家が書いた、最新の本を読みます。
その中で、同じ業界の人間であれば、必ず心が動くような言葉が出てきます。良書であれば、10ページに一つはあります。200ページあれば20個はパクれますね。
①~③はどこかで見たようなコピーになることが多いですが、④はかなりオリジナリティを感じさせるコピーができます。
コストはかかりますが、勉強にもなるので、おすすめの方法です。
さて、ここまで、散々パクってきましたが、勿論パクりそのままではいけません。
ここから、最初の、ターゲット、自社・商品の強みを思い出し、それぞれ置き換えて、試していきます。
例えば、
地図に残る仕事、とかのコピーであれば、〇〇に残る仕事。とかでいいんです。
一回書いてみて、流石にこれはなーと思ったらちょっと変えればOK。
どんどん書き出していけば、5~10本に1つは、自社に合った、当たりっぽいコピーが書けるはずです。これをまとめていきます。
最初はとにかく「何でも真似てみる」のが、実力をつける近道です。悩むばかりで、手が進まないのが一番よくない。
まだ実力もついてないのに、上級者と同じようなやり方をするのは、根性はつくかもしれませんが、今の時代にあっているとは思いません。
仕事のやり方もどんどんアップデートしていかないと、AIに負けちゃいますからね。
最後は、企業として出せるコピーか、厳しくチェックする
さて、ここまで楽な方法で来ましたが、企業の出すキャッチコピーである以上、これだけでは完成品にはなりません。
最後はチェックです。いくつか合格を出すための判断基準があります。
- ①自分だったら、そのキャッチを見て、お金を払うか(商品やサービスを買うか)で判断する
- ②お金を払うものでなければ、そのキャッチを見て、何かの行動を起こすかで判断する
- ③同僚、上司に見てもらい、良いコピーと言われるかで判断する
おいおい、ここまで「楽」で来たのに、最後は厳しいな
と言われそうですが、
紹介したのは、あくまで、最終判断までの道を、最短で駆け抜ける効率の良い方法であり、企業のコピーとして最終的にOKかどうか、は、残念ながら楽な方法はありません。上記の3つで判断するしかないです。
「いい言葉」で終わらず、実際にお金を払う気になるか
まず、自分の心が、お金を払うほどの気持ちになるか、で判断します。いい言葉だなー、は誰でも思いますが、じゃあお金払う?となると、一気に目が厳しくなります。
しかし、実際のお客様に購買行動を起こさせられないなら、厳しくいえば、そのコピーには1円の価値もないことになります。
ひいき目が入っている本人の心も動かせないのに、他人の心が動くわけがありません。
また、商品コピーではなく、たとえば企業ブログやコラムでも同じです。たとえば、3月はお花を育てると健康にもいい!みたいなコラムを書いたとしたら、
そのキャッチコピーで、本当に花を育てる気になるか、行動を起こすか、という指標で、最後はチェックしなければいけません。
実際の購入者と近い年代の人にチェックしてもらう
上司は勿論ですが、実際の購入者ユーザーと近い年齢の人に見てもらうのもお勧めです。
やはり世代間での価値観の違い、というのは想像以上に大きいものがあります。
自分の基準だけで合格点を出さず、実際にお金を払う人達(または世代、環境、趣味が近い人など)の意見を聞いて、しっかり ブラッシュアップすることが、キャッチコピーの完成レベルを上げる一番の早道になります。
キャッチコピーは正解がなく、自分では中々答えを見つけられないので、効率の悪いやり方をしていると、いくら時間があっても足りません。
少しでも効率よく実力を鍛えて、最後にはパクるのではなく、パクられるぐらいのライティング技術を身に着けていきましょう。