価値ある営業電話の見極め方

人生観・仕事観

この世には2種類の人間がいる。営業電話に付き合う人と、付き合わない人だ。私は後者である。10分以上、営業電話に付き合っている人を見ると、それほど仕事がないのか?と訝ってしまう。

そして、営業電話にも2種類ある。価値ある営業電話と、そうでない営業電話だ。むろん、営業電話なんて全部ゴミだと、片付けるのは簡単だ。しかし中には、思いがけない原石があることもある。それを見極めるのに、スマートなやり方をお伝えしたい。

社会人をしていると、何度もかかってくる営業電話に悩まされた経験は、多くの方が持ってるはずだ。よりによって、クソ忙しいときにかかってくることも多く、冷たくあしらうべきか、一応話だけは聞いておくか、と悩んだ方も多いだろう。

私もその一人だった。しかし、20年近くに及ぶ社会人人生により、自分の中に、「営業電話完全対応マニュアル」を構築した。今では思考を停止してマニュアルに従って対応してるので、特に苦労はない。以下が、私のマニュアルである。

1、最初の紹介。何の事業をしている会社か、までは聞く。(1分まで)

そもそも、何の営業か分からないと話が進まない。また、営業電話であることは分かっているが、要件も聞かずに切るのは、やはり相手に与える印象が宜しくない。

個人として受けてるのではなく、会社の代表として受けているのだ。そこは一応、気を遣おう。

ただし、1分までである。働き方改革も進み、就業中の1分1秒は貴重だ。

1分で紹介を終えられないような営業マンから、得るものは何もない。今立て込んでますので~と言って切ってしまおう。

2、事前に下調べしているか確認する。

なんの営業か分かったら、次はウチがどんな事業をしている会社か、営業マンに聞いてみよう。今は、WEBでいくらでも下調べ可能だ。事前にリサーチ済みなら難なく答えられるはず。

ここで頓珍漢な答えをいうようであれば、すぐ打ち切って問題ない。事前に相手のことを調べもせず、電話してくる人間の提案は、たかが知れている。

3、「今何に悩んでいるか」を聞いてくるか、来ないかを確認する。

ここまでクリアしていたら、及第点。そして、大事なのは次である。どんな事業をしている会社か、調べる程度は、普通の営業マンなら誰でもやる。

大切なのは、その後、「相手がどんな悩みを抱えているか、聞いてくること」。これである。

なぜなら、自社のサービスや商品に、どれだけ自信があったとしても、それが相手にとって価値あるものになるかどうかは、相手にしか分からないからだ。

なので、まず相手は現在、どういう悩みをもっているか、そして、その悩みを自社のサービスは解決できるのか。本当に相手の問題を解決したいと思っていたら、自然と聞いてくるはずなのだ。そこに打算などない。

それすらしないのであれば、その営業は、どれだけ美辞麗句を並べた所で、老人に高額商品を売りつける悪徳業者と大差ない。売れれば良い。それだけが原動力だからである。

立脚点が間違っているのだから、そんな話にのって、物事がうまくいくはずがない。早々に会話は打ち切って、ブラックリストに放りこもう。

もし、この3つをクリアしてきたら、その営業マンは少なくとも、貴重な時間を少し使ってでも会話をするに値する人物だ。何が縁となるかは分からないもの。業務に支障が出ない範囲で付き合ってみよう。

実際、私も数は少ないが、この難問を潜り抜けて、今でも深い付き合いをさせて頂いてる会社がいくつかある。いかなる時も、信頼し合えるパートナーだ。下手すると、自社の人間より信用しているまである。

そんな相手となら、もし転職したり、独立しても、きっと強い関係を保てるはずである。