「何に困っているか」をしつこく聞いてくるのが、本気の営業

人生観・仕事観

先日、元同僚より、電話があった。

「早速トラブルか?」と身構えたが、会社とは関係なく、自分の家の相談だった。

要約すると、

・旦那さんがフランチャイズの個人事業主(結構ニッチな業種)

・最近、本部の営業から、リスティング広告を出さないか、LP作らないか、と営業があった

・月4万という破格の値段で、契約するなら急がないといけないと聞き、悩んでいる

・さぼてんさんも、同じような仕事をされると聞いたので、もし頼めるなら、そちらにお願いしたい

とのこと。

いきなり見込み客ゲットだぜ。10年以上、せこせこ真面目に働いてきたおかげだろう。神に感謝。信じたことないけど。

さて、どのような返事をしたか、というと、勿論、丁重にお断りした。

というか、壮大な送別会までしたので、もう方はついたと思われるかもしれないが、私は現在、有給消化中の身であり、正確には、まだ元会社の社員なのである。

この状態で、同僚から仕事受けるとか、さすがにわんぱくが過ぎるだろう。

ただ、知り合いの仕事、という、気兼ねなく受けれる依頼は貴重なので、11月以降まで話を延ばせるなら、お友達価格で引き受けると伝えた。私にとっても練習代わりとなるので、メリットが大きいしね。

そして今回、本部の営業から来た提案をどう思うか、と聞かれたので、正直に、「ダメでしょ」と伝えた。これは、別に自分が仕事を欲しいからではない。

これまでのリーマン生活で学んだことの一つに、本気の営業は、「相手が何に困っているか」を死ぬほど聞いてくる、ということがある。そして、そういう人物とこそ、いい仕事ができる。

今回の例でいえば、あらかじめ予算ありきでリスティング広告の提案をしてくる時点で、私にとっては信用に値しない。私なら、そんな提案はしない。彼女の旦那さんが、何に困っているか、どうしたいのか、が分からないからだ。

まず、リスティング広告を出したいのか、という、そもそもの前提を聞いてみた。すると、「よく分からないけど、若い人の注文も今後増えるだろうし、今後はそれを見据えて、ネットの宣伝を営業したい」ということだった。

つまり、目的はあくまで、ネットでのPR、および、受注増加なわけである。

さらに、どのくらい注文を増やしたい、という目標はあるか、と聞くと、

「正直、全て一人でやっているので、あまり注文が来ても回らないし、現時点でも、そんなに余裕はない」とのことらしい。

つまり、受注がなくなると困るけど、現状でも、それほど仕事には困ってない、というわけである。

私なら、この2つの質問を聞いた時点で、リスティング広告は勧めない。SNS、ブログでの長期的な集客をメインに考えるだろう。

そもそも月4万という費用は、どういう算定だろうか。フランチャイズの本部が運用すると思えないので、どこかの代理店かフリーランスに丸投げだろう。

となると、実際の広告予算は、おそらく半分の2万くらいではないだろうか。

月4万でも厳しいが、月2万では効果など、たかが知れている。

私なら、ご主人から、仕事上の強みをヒアリングした上で、 月30000円(1000円/月)で、 エリア限定のディスプレイ広告か、絞ったキーワードでのリスティングでテストする。

むろん、KPIは決めた上でだ。

ものすごいざっくりだが、月間問い合わせを2~3件増やしたい、ということなら、CPCが概ね80円くらいなので、CVR3%と仮定すると、月間90クリックで、ほぼ予算内に収まる。

これを達成できるか、どのくらいのインプレッションになるか、まずテストするのが良いだろう。

相手の目的をかなえたい、本気でそう思っているなら、このように、必ず、事情を深く聞いてくるはずである。でなければ、正しい提案ができないからだ。

そうでないなら、その人は、ただ「金儲け」のためだけに営業をかけているのである。

リーマン生活しているときも、星の数ほど営業電話を受けてきたが、この前提を理解していない営業マンの電話は、秒殺で切っていた。

営業をするなら、自社のプロダクトを自慢するのではなく、相手が何に困っているか、そんなにやるか?と思われるほど、しつこく聞いて、自社のプロダクトが本当に相手に必要か、を考えて、営業をしてほしい。その方が成約率も上がるはずだ。

こわーい上司がいるから、そんなのは理想論なのだろうけどね。