課金がわたしにくれたもの ~Yahoo広告試験 不合格記~

WEBの仕事話

課金といえばソシャゲ。ソシャゲといえば課金である。その闇については、いまさら私が論ずるまでもないだろう。

だが、ここで一石を投じたい。私は今日、確かに課金に救われたのだから。少し前書きが長くなるが、できれば聞いていただきたい。

私は今日、休みをとり、資格試験を受けに行っていた。「Yahooプロモーション広告 プロフェッショナル認定試験」というものだ。

Yahoo!広告 公式サイト - Yahoo! JAPAN マーケティングソリューション
Yahoo!広告 公式サイト

WEB系の仕事をしている人以外には知名度がない資格なので、ご存知でない方も多いだろう。一言でいえば、Yahooの運用型広告を管理・操作する技能資格だ。うん、分からないね。

残念ながら詳細を語ると長くなるので割愛する。興味のある方は自分でしらべてみて欲しい。

この資格は、仕事に必須ではないが、合格(860点以上)すると、名刺やWEBサイトに、Yahooのロゴを使用することができる。これがポイントだ。

名刺にYahooのロゴが大きく刻まれていると、それだけで相当のハッタリ力が生まれる。ブランドに弱い日本人ならなおのこと。これから独立を目指す私には、マストアイテムである。

ただ、この資格、勉強範囲はそれほど広いわけではないのに、かなり合格率が低いと言われている。ネットで調べた範囲だと、Yahooの中の人が、合格率は3割程度と答えていた。実際に受けて、私もそのくらいでないかと感じた。

理由は、通常の資格試験の常識が通用しないことにある。

①問題集、過去問がない(正確には公式に1回分だけあるが、情報が古い上、全然足りない)

②試験問題の持ち帰りができず、どれが正解だったか分からないので、復習ができない

③合格ラインが厳しい(860点以上/1000点なので、86%以上の正答率が必要。)

④公式サイトと実践で勉強するしかないが、公式サイトでも間違っている情報がある(日々、技術がアップデートされており、古い情報が残っていたりする。試験も最新の情報に対応してない)

幸い、しょっちゅう試験は実施されているので、何回も受けることは可能だが、殆ど平日しかやっておらず、オンライン受験もないので、休みをとらないと受験できない。

さらに、決して安い受験料ではなく、1回あたり7000円強かかる。資格試験としては高くないのかもしれないが、これからフリーランスを目指して、日々節約生活に勤しんでいる私には正直痛い出費だ。

そして結論からいえば、私は不合格だった。

1000点中、836点。ロゴをもらえる860点には24点足らなかった。あと2問ほど間違えていなければ合格できただろう。

かなり本気で勉強していたので、まさか落ちるとは思っていなかった。なので、落ちたと分かった瞬間、しばらく思考が停止していた。

この試験、会場のパソコンで行うのだが、試験終了ボタンを押した直後、画面にスコアが表示される。なので、落ちたかどうかは、試験を終えた瞬間に分かる。

効率的といえばそうなのだが、ドヤ顔で試験を終え、アンケートにもフンフンと答え、さーて帰ってシャンパンでも空けるかぁ~と、終了ボタンを押した人間を、一瞬で地獄に叩き落す様は、まさに鬼畜の所業といえよう。

レベルは違うが、当選確実といわれ、祝勝会の準備をしていた議員が、TVで落選を知った時の感情は、これに近いのかもしれない。

絶望のあと、襲ってきたのは悔しさだった。

わざわざ休みをとったのに・・・。

仕事を終えてから、毎日必死で勉強したのに・・・。

7000円も払ったのに・・・。

敗因は分かっている。レポートを見れば一目瞭然。YDNだ。しかもその中の「動画広告」関連だ。

確かにこの部分は勉強をあまりしなかった。情報が少ない上に、私のような広告主には使えない機能だからだ(代理店など一部のみ利用可能)。覚えても仕事に使えないと勉強しなかった。

だが、試験は自分が利用できるかどうかは関係ない。そもそも、私のような広告主より、代理店で受ける人の方が多いはず。昨今のスマホの隆盛を考えれば、動画関連の問題が増えるのは、自明の理であった。

つまり、私の油断だけが敗因だ。それで貴重な時間と、7000円を失った。

さっきから、7000円、7000円としつこいが、最近は完全に節約生活になじんでいるので、7000円は私の中で大金なのだ。半月分の食費に相当する。そう考えると、非常に損をした気持ちになる。

だが、と考えた。

一年前の自分を思い出した。

その頃、私は人生で初めて、ソシャゲをやった。若者に人気のFGOという奴である。詳細は省くが、いい年をして中々に嵌り、社員とフレンドになり、一通り星5を揃えるため、課金も15万くらいした。

その時は、一度のガチャで、1万円くらい使っていた。わずか10分で、1万が2~3年後には無価値となるカードへ変換された。

その是非は今更問わないが、私は思考を借りることにした。

今回、私は半月分の食費を失ったのではない。一度ガチャで失敗しただけだと。

そう考えると、なら大したことではないな、と気持ちも幾分和らいできた。不思議なものである。

人はミスや失敗を犯した時、対価として何を失ったか計算し、ショックを受ける。今までの努力は無駄だったと思ってしまう。

だが、そんな風に考えても、結果は変わらないし、失ったものも戻ってこない。

2~3時間落ち込んだら充分だ。その後は、発想と気持ちを切り替えるべきなのだ。

そんな時、課金の経験が有効に働く。大抵のことは、これに比べればマシだったと思うことが出来る。ソシャゲに費やすカネと時間は、他の事象に置き換えれば、 それだけ膨大なのだ。

未体験の方は、ぜひ一度、経験しておいてほしい。きっと何か壁にぶつかった時の保険となる。

ちなみに私は充分学んだので、もう課金はしていない(福袋以外)。スカディと孔明いたらOKだしね。石も1500個ほど溜まったので、全力で行ける鯖が来るのを楽しみにしている。課金は計画的に。