画数にこだわりすぎる経営者をどう思うか

人生観・仕事観

私が今の会社に入って驚いたことの一つに、「画数」がある。

世の中には、「画数」というオカルトに非常にこだわる人たちが、少なからず存在する。

自分には関わりのない話と、片づけられるならそれで良いのだが、残念ながら、私の場合、そうはいかなかった。がっつり、仕事と絡んできたからである。

具体的には、「商品名」「会社名」「電話番号」など、会社で決めるあらゆることに、最良の「画数」であることが求められた。

商品のネーミングを業務でしたことがある人は、これがどれだけの制約か、分かっていただけると思う。

これだ!という名前ができても、「で、画数は?」といわれるのである。

当然、良くない画数であれば、却下される。内容は関係ない。

私は最初にこれを聞いたときは、何か冗談かと思った。

しかし、上長も含めてマジであることがわかると、「やばいなここ」という感情しか湧かなかった。

結局、こうして退職を決めることになったのだから、その予感は間違っていなかったのかもしれない。

ちなみに、サイトのドメインを決める時さえも、画数を要求された。商品名には慣れた私も、流石にこれは耳を疑った。

経営者、特に昭和時代からの創業叩き上げ、という人物は、ある意味、すべて狂人だと思っている。もはや神に祈るしかない、というピンチがこれまで何度もあったはずだ。

だから、一種のオカルトにこだわる人がいるのも分からなくはない。

だが、会社名のように、一度決めたらそうそう変わらないものはともかく、商品名やドメインなど、こだわりよりも、「消費者がどう感じるか」というものについては、画数などというくだらないものにこだわるのは、愚でしかない。私はそう思う。

まだ、売上という結果が出ているならわかる。

A案、B案があり、みんなA案を推したけど、社長だけは画数の良いB案にするといった。結果、B案の方が売れた。とかならわかるのだ。

しかし、ウチの場合、画数がよい、という理由で決まった商品や会社を残しただけで、比較検証はされないし、実際、売上も全く伸びていない。

では、画数にこだわることに意味はないのではないか。そういう意見が出ないことが、やはり問題だと思う。ようはPDCAでやるべき、ということだ。

私も、独立開業することになり、屋号やURL、いろいろ考えたが、画数など、かけらも気にせず決めた。

社長の言を肯定することにならぬよう、しっかり結果をだしていきたい。

そう願っている。