今日は一日、人材探しで東奔西走していた。
先日、自分の後釜は自分で探すようにと、会社が素晴らしいミッションをくださったからだ。
そんなんやから辞めるねんで!
とはいえ、収穫はあった。
それは、「WEB担当の経験者を採用する」、ということが、どれだけ無理ゲーなのか、よく分かった、という事である。
採用担当の方は、もし上からそのような条件で探すよう言われたら、最初から無理だと言っておいた方が、お互いのためである。無駄に時間を使わなくて済む。
以下、知っている人は、「そうだよね」としか言えないことだが、自身の記録用にまとめる。
まず前提として、事業会社のWEB担当というのは、仕事が多岐にわたりすぎている。
私の場合、ざっと挙げるだけでも、
・自社サイトの更新、編集(html、CSS、Wordpress、SEOの知識が必要)
・WEB広告の運用(インハウス運用か、委託している代理店とのやり取り)
・WEBマーケティング、分析、レポーティング
・バナー、広告画像の加工、デザイン
・社内システムのメンテ、PCサポート
・EC通販の業務全般
などを担当している。
さらに、オフラインの媒体や、細かい雑務など、挙げていけばキリがない。
このようなスキルをもつ人材は、勿論、世の中に存在はする。
中には、ウチの社長が夢見ているように、都会の喧騒に疲れて、田舎でのんびりWEB担したいなーなんて、考えている世間知らずも、いるかもしれない。(やめておけと忠告するが)
だが、存在するということと、実際そのような人材が採用できるか、というと、それは別の問題である。
理由は簡単で、需要はめちゃくちゃ多いのに、そんな人材が殆ど放出されないからだ。
私も自身がそうだから、よく分かる。
WEB担当者は、どの会社でも貴重な人材だ。当然、社長もそのことを分かっている。
なので、仕事は多忙かもしれないが、待遇自体はそう悪くない(あくまでその会社の中でだが)ことが多いだろう。つまり辞めにくい。回転率が悪いといえる。
逆に、私のように、待遇自体に不満はないが、自身のキャリアップのために、会社を辞めたい、という人間は、基本同じような会社を選ばない。
フリーランスや起業して独立するか、IT系でも世界を視点に仕事をしている、レベルの高い会社を狙うだろう。
あえていうなら、その会社にしかない魅力。
それは、単純に給料がいい、休みが多い、などではなく、「この会社なら、自分は違う生き方が出来るかもしれない」と感じさせる何かをもった企業ならば、可能性はあるだろう。
ただ、そういう会社はそもそも、「人」を一番大事に考えていると思うので、WEB担当者に限らず、良いスタッフが自然と集まっていると思う。
だから、その辺の特徴ない中小企業であれば、WEB担当者の中途採用など、基本無理ゲーなのだ。
実際、私も、ウチはこんな魅力があるからぜひ来てほしい、とは誘えない。
せいぜい、田舎はいいよ。ご飯旨いし、家賃安いし。のんびり暮らせるよ。としかいえない。
そんなのは、別にウチじゃなくてもいいからね。
そりゃ説得力ないですわな。
取引先にも色々聞いたが、「むしろウチが欲しいわ!」という回答ばかりだった。
ですよね、としか言いようがない。
あえていうなら、この一言が印象に残っている。
「田舎だから人材がとれない、と思ってるかもしれないけど、東京も同じですよ」
と。
確かに。田舎は極小とはいえ、物好きが来る可能性もあるが、東京は皆、同じフィールドでのバトルだし。
比較対象が山ほどある分、一社の採用難度は変わらないか、むしろ上かもしれない。
そう考えると、少し気が楽になった。
あとは田舎らしく、のんびり自分のペースで探そうと思う。
見つからなくても、悪いのは、辞める私に丸投げした会社であり、気にする必要はまったくない。
所詮無理ゲーなのだから。
ついでにいっておくが、退職することを周りにばれないようにしながら、社内で人を探せというのも、無理ゲーであると、改めて上司に言いたい。