コールセンターは相手の顔が見えないので、まさに言いたい放題
こんにちは、さぼてんです。20年近く、社内のWEB担当、および通販業務の管理者をやってきました。業務の内容としては、社内コールセンターのSV(サービスバイザー)も含みます。
その経験で感じたことですが、エンドユーザーのクレーム対応は、これからやる仕事として、マジお勧めしません。特に新社会人はするべきではないと思います。その理由をお話しします。
まず、誰でも知っていることですが、ストレスが非常に溜まります。
「そんなの仕事だから当たり前でしょ?」
「客商売はみんなそう!」
という言われそうですね・・・。
確かにそうです。
ただ、コールセンターは相手の顔が見えないので、まさに言いたい放題です。本当に人格否定レベルのことをまくし立てる人がいます。
しかもお得意様ならともかく、商品を一度も買ってない人でも、ネットや広告でフリーダイヤルの番号を見て、電話をかけてきます。
WEBサイトを見ての会社への文句や、広告に対してのクレーム、下手すると、今の政治についての文句を言ってきたりします(笑)。政党に言ってくれよ。
さらに、自分たちが原因ではない、物流での輸送事故(配送遅延や商品破損)についてもクレームが入るし、商品の形状、品質に関しては、下手な対応すると、今はネットに上げられる危険もあるので、非常に神経を使って対応する必要があります。
まぁ、ここまでは、クレーム担当であれば、仕方がないことです。
兼務だと非常に辛い。オペレーターの愚痴に付き合うのも辛い
問題は中小企業の場合、他の仕事を兼務するのが多い事です。
実際、私はWEBや広告の仕事と並行してましたから。
今日が締め切りで、広告の原稿を書いたり、サイトが表示されないトラブルが起きて、すぐに直さないといけない時でも、関係なくクレームの電話が入ってきます。
プログラムの経験がある方は、コードを考えてる時にクレーム対応しないといけない辛さが分かって頂けるかと思います。これがストレスが溜まりやすい理由です。
また、SVはオペレーターからの愚痴の相手も、しなくてはいけません。
自分自身、ストレスがマッハなのに、さらに、ストレスが溜まったオペレーターの文句を散々聞かされるわけです。
しかも、何回も同じような話を。
男性は同様のケースであれば、殊更言ってきたりしない事が殆どですが、女性オペレーターは、同じような内容のクレーマーでも、バンバン言ってきますね。ありえない、おかしい、ひどかった、など。
まぁ、誰かに言わないとスッキリしないんでしょうけど、叩きつけられる方は、正直疲れますね・・・。
自社でしか使えないスキルばかり身に付く
次に、お勧めしない理由は、スキルが身に付かないことです。
勿論、ややこしいユーザーの相手をする、というスキルは上りますよ。
ただ、1社だけだと、同じような年代(ウチの場合、50~70代)しか相手しないので、他社でも役立つスキルかというと、かなり微妙です。
商材が代われば、対応の仕方も全く変わりますし。せいぜいストレス耐性が身に付く、というくらいでしょうか。
なので、ストレスが溜まるわりに、あまり役立つスキルはつかない、というのが、クレーム処理業務に対する私の印象です。
完全にマニュアル化できれば、もっと楽なんでしょうけど・・・。
ウチの場合、一応マニュアルはありますが、ケースバイケースで対応しないといけない事例が、3割くらい占めますね。
たとえば、通常であれば、お客様に送料を負担してもらわないといけないケースでも、社長と親しくしている人であれば免除するとか、特別な割引を設定するとか。
また、商品のクレームが起きた時でも、どこまで保障するかは、状況を正確に確認してからになるとか。以前に比べると、基本、お客様ファーストなので、分かりやすくなってきましたが。
これらのケースは、完全マニュアル化がしずらい部分なので、オペレーターも認識するのが難しく、権限もないので、SVがしっかり管理しないといけません。
ですが、こんな自己流の業務を把握できても、他所で使えるスキルは身に付きません。
転職、独立が増える時代。仕事するなら、汎用性の高いスキルを
私は自身が独立予定なので、余計そう感じるのかもしれませんが、今後、日本では働き方改革を皮切りに、転職や独立、起業をする人が増えていくと思います。実際、フリーランスは年々増加傾向にあります。
そうなると、一旦会社に所属するとしても、出来る限り、「他社でも使える汎用性が高いスキル」や、「独立に向いたスキル」を身に付けることが重要になってきます。
私はそれが、クレーム処理業務では難しいように思います。
勿論、クレーム処理は、世の中に必要で、誰かがしないといけない仕事です。
ですが、特にこれから仕事を始める新社会人には、 上記のようなデメリットがある可能性も考慮した上で、生き抜く術を身に付けていって欲しいと、切に願います。