「いつも思うんだけどさ、あのアンケート意味なくない?いつも私の意見、反映されてないんだけど」
という謎意見から始まった月曜の朝。今週も素晴らしい一週間になりそうで胸が痛い。
少し聞き耳を立てた所、どうやらお姫様は、社内で行われた試食アンケートについてご不満のようだ。
その後も、怒りの発言が続いていたが、人間に分かりやすい言語に変換すると、
・自分はいつも不味いと感じてアンケートを出しているが、採用されていない
・自分の意見が採用されないアンケートなんて、参加する意味はない
という事らしい。
私は心の中で拍手していた。このくらい自由に生きられれば、人生はとても楽しいだろう。自殺に悩んでいる中学生に聞かせてあげたい。
ちなみに彼女は、名言メイカーとして、私の中で評価が高い。
以前にも、査定の面談をした時に、もう少しこのように業務を頑張って欲しい、という主旨のコメントをしたら、
「私は、さぼてんさんみたいな高給をもらってないので出来ません」
と返してきたことがある。
流石の私も、これには面食らってしまった。
ちなみに、彼女は経理担当者。社員の給与に関しての発言はタブーのはず。
加えていえば、高給取りと呼ばれた私の手取りは、20万の前半である。
これに限らないが、私が約20年という少ない社会人生活で学んだのは、会社には年齢関係なく、全てを自分中心にしか考えられない人物がいるということ。そして、その数は決して少なくないという事である。
もっとも、これは会社に限らない。
ある程度の人数が集まるコミュニティであれば、例外なく、このような異分子は存在する。
学校であれ、部活であれ。人数が多くなれば友人グループでもそうだ。必ず一人は顕在化するはず。思い返せば、ああ、そういえばあの人か、と誰しも覚えがあるだろう。
こう考えると、最近、国が進めている働き方改革という名のブラック撲滅運動も、問題ある企業を是正していく効果はあると思うが、労働時間以外の「働きやすさ」という観点で見れば、効果は限定的である、と考えざるをえない。
そのような問題児とは関わらなければよい、という意見もあるかと思う。確かにそうだ。
だが、若い間はその通りだが、一定の年齢を超え、役職が付き、部下を持つようになると、そうもいっていられない。
社内での業務進行にも、そして自身の仕事のモチベーションにも、このようなモンスター部下の管理には、著しく体力、気力を削がれる。
私が退職を決めたのも、半分はこのモンスター部下に疲れたことが原因だ。
配置転換を希望すれば良い、という意見もあるかもしれないが、それなら転職か独立を選ぶ。私は今のWEBの仕事が好きだから、今まで続けただけなのだ。
部下の方の配置転換は無理である。理由は簡単で、経営者一族の一派だからである。これ以上、説明は必要ないだろう。
少し話がそれた。
要するに私が思うのは、どれだけ労働時間が削減されても、最終的に働きやすいかどうか、という指標は、そこにいる人間関係で決まる、という事であり、どのような会社であろうと、問題児は必ず近くに存在する、という事である。
中には全員が不満を漏らさず、全てに前向きな人間だけで構成された素晴らしい会社も、存在するかもしれない。が、そんな会社に就職できるのは、砂漠で金を拾うくらいの確率だろう。
もしかしたら、最近の若者は賢いので、そんなことは既に分かっており、だからこそ、就職もしてない内から脱社畜サロンだのに興味深々だったり、最初からフリーランスや起業を目指して、活動している人が多いのかもしれない。
それで良い人生をつかめる人もいるだろう。時代の変化。素晴らしいことだ。
ただ、少し気がかりなのは、そのような人生を成功させることが出来るのは、全て自分の頭で考える思考能力と、確率が不明瞭でも突き進む決断力。その両方を合わせもつ人材に限られる、という点である。
これは何でも最初から教わろう、というスタンスの人間には決して身に付けられないものだ。
また、当然、そのような能力を身に付けた強者であれば、多少のモンスター部下は屁でもないだろうし、独立してから、非人間的な対応をされるクライアントにも、負けたりしないだろう。
なので、いきなりフリーランスにならなくても、最低10年くらいは普通に社会人をして、スキルと金を貯めてから行動した方が、多少要領がいい程度の人間にとっては、より盤石な生き方でないかな、と思った次第である。
現在、私も節約生活を続けている身であるが、たとえ手取り10万ちょいでも、実家か寮ぐらしであれば、10年で1000万円ためるのは、充分可能である。
ソシャゲで湯水のように課金したり、外食ばかりしていたら望薄だが。今はネットと、定額の動画サービス、読書を趣味にしていたら、殆ど金使わない。若者にはホントいい時代だ。
それで1000万溜まったら、独立して、最初の1年は記念に、好きなところに旅行行ったりするのも良いかもしれない。というか、まさに私の計画がそれである。
やりたいことリストも50は埋まっている。東京オリンピックのチケットも申し込んだ。全部で約20万円分。来月の当選発表が、今から楽しみである。