「旅」は意識改革ではなく、頭のリセットに活用すべき

人生観・仕事観

旅をしたくらいで何が変わる、という人がいる。

その考えは否定しないが、それでも私は旅が好きだ。というのも、そんなに変えよう、変えようと、力んでるわけではない。

いわば、旅はリセットである。頭の再起動という方が、ニュアンスしては近い。

責任、仕事、義務。普段は誰もが、そういったものに何かしら縛られている。

特にSNSが流行ってからは、ニュースサイトや、誰かのアカウントから流れる情報を、常にキャッチしないと、全て置いて行かれるような焦燥感が、自分を蝕んでいるように感じる。

旅には、そういった鎖を一旦解き放つ効果がある。

普段は断りにくい友人、知人の誘いも、その場にいないのだから付き合いようがない。

義務感に駆られて、毎日見ているサイトやアカウントも、忙しくて見る暇がない。

大してやりたくもないのに惰性で続けているソシャゲも、思考から消える。

そうして、一旦、自分の頭をリセットすると、思考がクリアになり、これまで自分の中でゴチャゴチャになっていた事項が、スッと整理される。

だから、私は旅が好きなのだ。

旅に行くなんて、金もかかるし勿体ないという人もいるが、私にとっては、むしろ旅は超コスパの良い代物だ。目的は頭のリセットなので、別に贅沢な旅行をする必要はない。

行ったことがない場所であれば良いので、極端な話、隣の町の路地裏でもいいのだ。

そこに、自分へのご褒美だの、インスタ用のネタ仕入れだの、余計な目的が増えるから、出費がかさむ。

そういったことは、いわゆる「ストレス解消」なので、そうであれば、私は別に旅でなくても、家で出来る。

意識改革や、ストレス解消に旅を使うのは、確かにコスパが悪い。今の時代、代替できる方法は沢山ある。

あと数年もすれば、VRやARで、直接行くのと、殆ど同じ体験が出来るようになるかもしれない。

しかし、頭のリセットは家では出来ない。自分を「物理的にいつもの環境から切り離す」ことが必要だからだ。

情報化社会と言われて久しいが、その速度は、さらに加速していくだろう。GAFAを中心に、合理性の追求は止まらず、私たちも、その恩恵を享受し続けるからだ。

脳の容量には余裕があると言われるが、心の余裕には限界がある。

だから、私は今後も、頭のリセットの重要性を忘れないようにしたい。月1の低コスパ旅行。これが、私の大切なルーティンだ。