WEBマーケティング関連のフリーランスとして独立するに当たり、言い方は悪いが、これまでお世話になった「ダメな代理店の担当者」を参考にさせてもらっている。いわゆる、反面教師である。
「こいつあかん」
と思ったことは、それこそ山ほどあるのだが、特に記憶に根強い「ダメ担当者」の特徴は、
①提案してこない人
または、
②提案してきても、その確度が低すぎる人
だった。
まず、提案してこない代理店の担当者。
最近は、少しはマシになったのだろうか?
8年ほど前は、毎月のレポートさえ出してれば、それでOK、みたいな担当者が沢山いた。
それも、管理画面で見れば、分かる数値を、わざわざもっともらしく装飾したグラフと表が並ぶだけで、考察も、今後の施策にも、何も触れてない代物だった。
それでも、社内の何も分からない上役は、「なんかすごいことやっているなぁ」という認識で、特に問題意識をもっていなかった。
「これでは、今何の施策をしているか、それをどうチェックするのか、今後、どうする予定なのか、が、分からないので、それを入れ込んで」
と言ったが、
「広告運用ってのは勘でやるものなので、そういうガチガチにするものじゃないんですよ」
と、訳のわからない反論をされ、流された。社内もそれで納得した。
あの時は、流石に返す言葉を失った。
結局、紆余曲折あり、考察や今後の施策は、入れてくれるようになったが、
それは、ただ、YahooやGoogleの新しいプロダクトが出るたびに、
「〇〇ができるようになりました!」
「来月から始めます!」
などが書かれているだけだった。
当然、社内の人間は益々意味不明になる。
それでも、新しいもの好きの経営陣は、
「なんかすごそう」「それなら売上も伸びるかも」
みたいな理由で、納得したものだった。そりゃ代理店も手を抜くよね・・・。
最終的に、うまくいったパートナーとは、そもそもレポートのやり取りさえしなかった。
互いに情報がきちんと共有できれば、定型的な作業で時間を浪費する必要はない。
話がずれた。
このように、まず「提案してこない担当者」が論外だったのだが、
次にダメなのが、「提案内容の確度が低すぎる担当者」だった。
これは、
・経験がなさすぎて、自分の提案が的外れなことさえ分からない
タイプと、
・仮説検証しまくるのが大事、という言葉を、非常に軽くとらえている
タイプの
二つに分かれるか、もしくはハイブリッド型が、主だった。
まず、前者については、担当者の提案してくる広告文やバナーが、明らかに、法律やガイドライン違反になるものばかり、というケースだった。
切り口は目を見張るものがある、とかなら、まだ良かったのだが・・・
なんだろう。イメージでいうと、素人の学生に、このテーマで何案か出して、といったら、こんな感じで出てくるかなぁ、という感じだった。明らかに、勉強ができていない。
結局、文句をいったら、きちんと上司が見るようになったのか、違反レベルではなくなったが、今度は、箸にも棒にもかからないレベルになった。
その辺の無料素材を拾って、コピー考えるAIにふったら、出来るよね、という感じ。というか、まさに、そうやって作ってたのかな?
なので、「とりあえずテストしてみないと始まりませんよ!」と言われても、
これでは、何も得るものがない、というか、予想通りダメでした、という結果しか得られないのが分かっているので、こちらとしても、OKを出せない。
このあたりが、次の理由に続くのだが、結局の所、ダメな代理店の担当者は、
「広告主の機会損失」を甘く見ている
というのが、全てなのだと思う。
とにかく仮説を立てて、高速PDCAで回さないと分からない。
そんなことは、本気で売上を伸ばしたいと考えている人なら、誰でも分かっている。
だが、自社商材や、ユーザーへの理解度があまりにも低すぎると、提案をされても、その確度が低すぎて、広告主としても、「よしやってみよう」とは思えないのだ。
一言でいえば、「信頼」である。
代理店の担当者はこんなのばかりなのか・・・と思っていたが、パートナを探し続けて7年目で、ようやく「良い担当者」に巡り会うことができた。
そして、売上が改善する→ インハウス支援をお願いする →自分でやって成果が出る →独立したくなる → WEB担当に退職されて会社が困る
とまあ、会社にとっては、よくない結果となってしまったのだが・・・
仕方ない、と思ってもらうしかない。
ともあれ、自身が独立する身となったわけだし、振り返ると、これらを反面教師とすることが大事かな、と思った次第である。
自分がされて嫌だったことの、逆をすれば良い。
提案をする前に、「商材、ユーザーへの理解」を大切に。
でないと、提案自体を信頼してもらえないからね。