なぜ二流の人間は、素人相手に専門用語を多用するのか考えてみた

人生観・仕事観

二流の人間ほど、素人相手に専門用語を使いまくる、というのは、ある程度、社会人経験のある人なら、誰もが感じたことがあるだろう。

私も二流なので、例にもれず、そういう時がある。

なので、今回は自戒の念を込めて、なぜ、そうなってしまうのか、そして、二流側にも言い分はないのか、という点について、考えてみたい。

まず、二流の人間が専門用語を多発する理由は、大きく分けて、2つあると思っている。

一つは、「本質をつかめていないから」である。

これは、なぜ一流は、専門用語を使わなくても、素人相手に納得のいく説明ができるのかを、考えれば、逆説的にわかる話だ。

その言葉は何を意味するのか、そして相手は今どの程度の理解力なのか、では、どのように説明するのが妥当か、という3段アクションを瞬時にこなせるから、一流は一流なのだ。

人に勉強を教えるには、自分が問題を解けるだけではダメで、本質を理解し、「言葉の置き換え」や「たとえ話」で、分かりやすく説明できないといけない。

家庭教師のアルバイトをした学生時代に言われたことだ。まさに痛感している。

単に、表面的な意味だけで言葉を理解しているから、二流の人間は、「言葉の置き換え」や「たとえ話」ができないのだ。

よって、専門用語をそのまま垂れ流すことになる。というわけである。

しかし、私の経験からすると、どちらかといえば大きいウェイトを占めているのは、2番目の理由だと思う。

それはなにか。

一言でいえば、つまらない「虚栄心」のためである。

ようは、何も知らない相手に、「そんなことも分からないの~?」とイキって、マウントをとり、小さな自分を満足させたいのだ。

普段からそのような精神なので、それが表に出ているだけ、というわけである。

なので、二流による専門用語の多用は、「本質の理解不足」と「つまらない虚栄心」の二つにより、行われていると思う。

さて、ここまでで、

「だよな。あいつ頭悪すぎでしょ」

「ほんとくだらない人だ。まぁ自分が大人になればいいか(笑)」

と思い片づけるのも、良いが、私のような二流側からも、少しだけ言い分はある。

私が最近、後任に引き継ぎをして感じるのは、

専門用語の多用はむろん論外だが、「自身の勉強不足」を正当化するのも、良くないのではないか、ということである。

私の場合、ド素人に一か月でマーケティングの全てを叩き込めと、会社から無茶ぶりをされており、現在、指導をしている。

そのせいで、余計そう思うかもしれないが、

「本気で仕事を覚えたいなら、専門用語くらい自分で勉強してきて当然」

と私は思っている。

「素人だからわかりません」と100回くらい言われたが、そんなことは分かっている。

だから極力、専門用語を使わず、分かりやすい表現にしようとしているのだ。

それでも時折使われる言葉程度は、それを「また分からない言葉使っている」と非難するのではなく、勉強しろといいたい。会社は学校ではありません。

たとえ無茶ぶりだろうと、会社から人事を受けて、それを承諾したのなら、給料をもらう以上は、果たす責任があると私は思う。

無理なら、無理と、後からでも素直にいうべきである。

さて、話がそれた。

最終的に少々私怨が混じってしまったが、私が思うことは、

・二流の人間は、専門用語の多用は、あなたの「本質の理解不足」と「虚栄心」から生まれていると自覚すべき。

・素人側は、それを非難するばかりでなく、自身の勉強不足と、責任回避が行われてないか、一度振り返ってほしい。

それだけである。私も一流とまではいかなくても、脱二流で、1.5流くらは目指したい。