災害が起きたら無理しない。それがフリーランスの利点だと思う。

人生観・仕事観

九州北部の大雨による被害が酷いことになっている。冠水し、一部では町が半分水没しているような有様だ。

仕事をしていると、昼ごろ、早速、ヤマト運輸から、「佐賀県宛ての荷物は受けられませんよ!」
と連絡が来た。

「そのくらい分かってますよ」

と言いたい所だが、ほんの数年前までは、

「いやいや、どうせ出荷するんだから、とりあえず預かっといてよ」

と無理に渡していた立場なので、あまり大きい口ではいえない。

特に311より前は、地震が起きようが、台風が来ようが、準備した商品は、とりあえず運送会社は渡していた。今考えると、とても申し訳ない気持ちになる。

なぜ配達が遅れるのを承知で運送会社に渡すのか、というと、理由は簡単で、また商品や、帳票の準備をするのが面倒だったからである。数件ならともかく、100件を超えると、当日出荷中止は意外とと処理が大変なのだ。

とはいえ、本来、それがおかしく、今のように、災害時は拒否するのが当たり前なのだろう。

そう考えると、日本も少しずつマトモになっている、というか、何が重要なことか、優先順位についての良い共通認識が芽生えてきている気がして、嬉しくも感じる。

しかし、今朝、大雨の報道を見ていて、逆の気持ちを感じるシーンがあった。

TVに映る、この大雨の中、タイヤが殆ど水没しているのに走る車。聞くと、どうやら通勤の人たちらしい。

見ていて、悲しくなった。

おそらく、車を運転する人たちも、その殆どが、

「この雨の中、マジで行くの?俺?」

「なんかあったらどうしよ・・・」

と思ったはずである。避難指示まで出ているのだ。

だが、おそらく、会社から「来なくていい」という連絡がないので、連絡がない以上、行くべきという考えから、身の危険を感じるほどの大雨の中、会社に向かっているのだろう。まさに社畜の鏡である。

社畜という言葉は、長時間労働によく使われるが、私は、自己判断に従うことができず、会社の指示がなければ、自分の身を第一に考える、という正常な思考さえできない状態こそ、「社畜」と呼ばれるものだと思っている。

誰がどう考えても、災害が発生している中、会社に向かうというのは、間違っている。(救助や医師など、災害時に特に必要とされる職業は除く)

私が住むド田舎でも、以前、100cmクラスの大雪が降った。その時は、車がほとんど雪に埋まるような状態で、近所のコンビニに行くのも厳しいレベルだった。

その時は、ちょうど正月休みだったが、休み明け、この状態で出社するの?と誰もが思ったはず。実際に上司に問い合わせた人も何人かいた。

だが、会社が下した判断は、「全員出社せよ」。

ほとんどが車通勤なので、中には、普段30分で来れるにのに、3時間かけて来た人もいた。

そして、新年明けでろくに仕事もなく、メールチェックだの、どうでもいい仕事だけをして、また3時間かけて帰る。

正直、あきれてしまった。その人にではない。会社の判断にである。

あの時より、少しはマシになったが、それでも結局、会社の判断こそが最優先される、という意味では変わりない。何かあったとしても、結局、自分の体の責任をとるのは、自分なのに、である。

そう考えると、やはり働き方としては、「フリーランス」が一番でないかと思う。

どう考えても、合理的でない出社など、そもそも考えなくてよい。全て自分の判断で行えるからだ。

大事な商談の日に、災害が起きたとしても、それでも強行するか、やめるかはあくまで自分の判断でできる。この大切さは、今後、日本で災害が増えるために、重要度が増していくだろう。

全ての社会人がリモートで仕事ができるような時代が来たら分からないが、そのころは私も老人だと思うので、それまでは自由なフリーランスという立場で、働きたいと思う。