パクられるのを異常に気にする人は、自分に酔ってるだけである

人生観・仕事観

前職で働いていた時、

「さっき電話してきたのは、〇〇(競合会社)じゃないか?」

「そんなことをホームページにかいたら他社にパクられるだろ!」

など、異常に気にする人がいた。主に経営陣に。

酷いのになると、

「そのアクセス、〇〇(競合会社)くさいな。IPで除外しろ」

と言われたこともある。

今なら、「草」と言えるが、当時は相手がマジだったので、困ってしまった。

なぜ、そんなに気にするのか不思議だった。

本当に競合の仕業であるなら、小学生ではなく、いい大人なので、資料請求や電話相談など、いくらでもバレないようにすることができる。

実際、私も、実家の住所、父親の名前をつかって、他社のパンフを集めたりしていた。

気にしすぎかと思ったが、私は通販部門の運営責任者だったので、名前で検索するとピンポイントで出てくるので、一応、やめておいた。

このように、実質防ぐのが無理なのだから、気にするだけ無駄だと思うのだが、

「この住所は怪しい。一応調べておけ」

「質問の仕方がおかしかった。絶対競合だから資料は送るな」

など、しょっちゅう指示があった。

勿論、本当にライバル会社の可能性もあるが、たかがパンフレットやDMを入手した所で、パクられるようなものなどないし、それで、実際はきちんとしたお客様だった場合、きちんとした資料を送らないのは失礼でないか、と思った。

だが、しばらくして理解した。

この人たちは、本当にパクられるのを恐れているのではない。

「他社が羨むノウハウをもってる俺すごい」

という錯覚で、自分に酔いたいだけなのだ。

さらにいえば、

「ライバルかどうか調べとけ!」

といった、ドラマにでもありそうな指示をだして、

「なんか仕事した気になりたい」

だけなのである。

おそらく本人は自覚がないだけに、たちの悪い代物だ。

ちなみに、もっと最悪のケースもある。

それは、自分では大したノウハウでない、と分かっているのに、

これまで持ち上げてきたので、今更引けず、自分の立派な功績であると、社内で虚勢を張り続けるパターンだ。

課長レベルならともかく、これが役員クラスになると、同じ立場に見抜く人がいない限り、延々とコレが続くことになり、社内に悪影響をまき散らす。困ったものである。

なので、ネット育ちで慎重な若者は騙されないと思うのだが、

異常にパクられるのを気にする上司、に出会った時、それは本当に他社を恐れてのことか?と疑ってみるのは、大事かもしれない。

また、もし新卒であるなら、怖いもの知らずの精神で、

「そのノウハウは、今何を生み出しているのですか」

と聞いてみてもいいかもしれない。

何も実績がないなら、それはノウハウでなく、そう思いたい、というだけの幻想なのだ。

一方的に話を聞くだけだと、頭ではおかしいと思っても、つい丸め込まれてしまうことがある。

たまには攻勢にでてもいいだろう。それで空気が読めない人、と言われるなら、そんな会社に長くいる必要はないかもしれない。

せっかく働き方が多様な時代に生まれたのだ。そこは多少、自分に自由を与えていこう。