文章は、「論理」で書いて、「生理」でチェックしよう

人生観・仕事観

プロのライターでも見落とす。「生理」チェックの重要性

キャッチコピーのみならず、文章全般で大事なこと。

こんにちは、さぼてんです。今回は、文章の書き方で、自分が今まで教えてもらい、役にたったことを紹介します。

私はWEB担当ですが、通販業務がメインでしたので、会社では広告の制作も、よく担当してきました。

現在はWEBライティングの仕事が増えていますが、私が仕事を覚え始めた20年近く前は、基本的に紙媒体の広告が主でしたので、主に、「新聞広告」「チラシ」「リーフレット」「DM」などのコピーを書いてました。

その中で、最初に上司に教えられ、今でも仕事の基本としていることがあります。それは、文章は、論理で書いて、「生理」でチェックしよう、という事です。

ちなみにこれは、キャッチコピー関連のベストセラーである谷山雅計さんの「広告コピーってこう書くんだ!」にも書かれているので、ぜひ読んでみてほしいです。

プロが書いても、自分の文章には、「ひいき目」が入る。

まず、大前提として、自分の書いた文章は、大なり小なり補正が入ります。分かりやすくいえば「ひいき目」ですね。これはプロのコピーライターでもそうらしいです。

なぜなら、「ここはまずこう書いて…」「そして次にこうで…」「オチはこう!」という、自分なりの起承転結があり、やった!できた!

という満足感があるからです。

これは、キャッチコピーは当然として、文章すべてに言えることです。メールしかり、極端にいえば報告書もそうです。

しかし、読む側は当然ですが、書き手の事情など一切関係なく、書いてあることを、そのまま受け取ります。その文章は自分にとってどういうものか、どんな価値があるのか、という判断基準で、考えます。

すると、その間で、想像以上にギャップが生まれることも、多々あります。

「論理的」な文章が、読み手に正解とは限らない

理系出身者が、特に陥りやすい罠(個人的感想)。

もう少し具体的にいきましょう。

私も理系出身なので、最初はこの辺、うまくできず、上司によく教えられたものです。論理的な文章が、必ずしも正解ではないケースは、往々にしてあります。

一旦、キャッチコピーに話を戻します。

とても極端な例ですが、

「これは丁寧に磨いた便器のように、清潔です」

というコピーがあったとします。 (谷山さんの書から近い例をお借りします)

さて、この文章を読んだ人は、「なるほど、洗剤で一生懸命に磨いたんだな。それは清潔だろう!」と思うでしょうか。

おそらく、ほとんどの方が、「便器」というキーワードで脳が支配され、まったく清潔なイメージを持てないだろうと思います。

これが、人は論理ではなく、生理で読むということです。

特にキャッチコピーでは一緒の言葉遊びのようなパターンもよくあり、考えた本人は、「うまいこと例えた!俺天才じゃね?」と思うことも、たびたびです。

そういう時は、一旦時間をおいて(できれば翌日)、改めて、感情のまま、読んでみてください。「うわっ!だせえ!こんなんじゃ買わんわ!」と思って、恥ずかしくなる事もよくあります。

手紙は説得力よりも、「気持ちよく読めるか」を考えて書く

キャッチコピーの例は、少し極端でしたが、メールや手紙でも、近いことはよく見られます。

私は長年、健康食品を扱う部署にいますが、お客様宛の手紙を書く担当から、原稿を見せられ、

「うーん。これは・・・」と思うことがよくあります。

たとえば、商品を購入後、本当に効果があるのか心配して手紙を送ってきた人に、「この商品は、何々の基準に合格しており、どんな特許をとっていて~、だから安心して~」、などと返事を書く人がいます。

しかし、商品をすでに買っている人にとっては、商品にどのようなスペックがあるかは、ある程度分かっています。その上で、不安に思うから、直接太鼓判を押してほしい、という気持ちで、わざわざ手紙を送ってきているわけです。

であれば、その方に安心してもらうためには、まず、健康食品はすべての人に効果があるわけではないが、それでも、自分たちなりに、研究をしっかりやってきたこと、現在利用している方、同じように手紙を送ってこられた人もいて、現在、元気に過ごしていらっしゃること。

そして、また不安な気持ちが起きたらいつでも相談してほしい、という思い、その当たりを正直に伝えることが、何より大事なはずです。

これも、手紙を書く時に、自分たちの都合しか考えず、受け手の気持ちに立とうとしていないから起きてしまうケースです。

とはいえ、相手の気持ちなど、100%理解するのは不可能。半分も怪しいものです。そのくらい、人の心とは複雑なもの。コントロールできず、非合理的なことも多くあります。

なので、手紙自体の構成自体はロジックで組み立ててよいが、そのあとは、一度、生理でチェックするのが良い、ということです。

組み立てが正しいか、説得力があるか、ではなく、「気持ちよく読めるか」でチェックする。そうして、ブラッシュアップしていくと、自然とよい手紙になっていくと感じます。

メールは、読みやすさ、ストレートな感情を意識する

メールでも同じですね。

むしろメールって、事務的なイメージが強くて、読み手からすると、想像以上に冷たく見えてしまうものです。

  • 長い文章になるようなら、●で小見出しをつけて、パートを分ける。
  • 重要な部分は色を付ける。太字にする。
  • 本当に感謝している時は、心のままに、「!」など感嘆符を付ける。

この辺り、試しにやってみてください。殆どの場合、やりすぎという事はありません。心配なら、周りの人に、一度送る前にチェックしてもらってください。

意外と、「うん、いいじゃない。」と言ってもらえるものですよ。

文書はいつの時代も、重要なコミュニケーションツールの一つ。大事に使って、よりいい人生を送りましょう。